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逆ハーエンドかと思いきや『魅了』は解けて~5年後、婚約者だった君と再会する  作者: 志熊みゅう
家族になる

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13. 王位継承の条件

 ボナパルト家に一泊し翌日は王城に向かう。皆さんに見送られ、またいつでも遊びに来るように、今度は領地にも遊びに来てほしいと言われた。ボナパルト領は自然が豊かでマール領とはまた違った魅力がある。マール領が海辺の別荘地として人気なのに対し、ボナパルト領は山あいの避暑地として別荘を持つ貴族が多い。早くシモンにも自分が生まれ育った故郷の景色を見せてあげたいとアベルがこぼしていた。もう少しシモンの魔力が安定したら、転移魔法で色々なところに連れて行ってあげられるのに。さすがに遠方への馬車移動は効率が悪すぎる。


 午前中、アベルは軍事魔道具の密輸捜査の件で大事な話し合いがあるらしく、王城内の会議室に向かっていった。その間、私はシモンを連れて王太子宮に向かい、アマリリス王太子妃に謁見した。


「リリー、久しぶり~!結婚おめでとう~。今日は無礼講でお願いね。」


「アマリーありがとう。最後に会ったのはアマリーが王子様を妊娠してお祝いにきた時かしら。」


 アレクサンドル王太子殿下とアマリリスの間には既に二人のお子さんがいる。三歳のライラック姫と一歳になったばかりのエルキュール王子だ。


「シモン君も大きくなったわね!赤い髪が素敵よ。ライラ達と遊んでもらってもよいかしら?」


 ライラ()というのは、ライラック姫とその乳母のクロエ、乳姉妹のコレットのことだ。姫様の部屋の扉を開けると三歳になるライラック姫が大きなくまのぬいぐるみを持って勢いよく駆け寄ってきた。


「おかあしゃま~!」


「ライラ、いい子にしていた?」


「ライラ様、覚えているかしら、リリアーヌよ。かわいいくまさんね。」


「くましゃん、くましゃん!」


「そのくま、去年ネモフィラがライラの誕生日にくれたのよ。」


 ネモフィラは意外とマメで、うちのシモンにも毎年なにか誕生日プレゼントを送ってきてくれる。


「ライラ、今日は新しいお友達を連れてきたの。シモン君よ。」


「シモンくん、はじめまして。ライラでしゅ。」


 ライラック姫は黒髪で碧眼。闇属性らしい。顔立ちは殿下似だ。


「姫様、初めましてシモンと申します。」


 そういって誰に教わったのか、シモンは臣下の礼をした。


「さすが、シモン君、リリーに似て聡いわね。じゃあクロエ、申し訳ないけど、旧友と二人だけで話をしたいから、シモン君をおねがい。」


「王太子妃様、かしこまりました。」


 次はエルキュール王子の部屋に向かう。私がぜひ王子様を見たいとせがんだからだ。


「カトリーヌ、エルの様子はどう?」


 静かに部屋に入り、アマリーが小声で尋ねた。乳母のカトリーヌ曰く、ちょうど今寝たところらしい。起こさないようにそっと近づく。この子の髪は銀髪だ。瞳は何色だろう。実はこの国の王位継承では紫眼であることが条件の一つになっている。これは私が作った"ゲームの裏設定"だ。


 伝承では王家の始祖が凶悪な魔王を倒しこの国を立国したことになっているが、実際は少し違う。ボナパルト家の始祖である勇者が魔王を限界まで攻撃し、弱体化したところを光魔法を使って王家の始祖が自分の体に()()()のだ。


 この紫眼は今も王家の血筋に残る魔王の一部、そう『魔眼』だ。発動時は金色に光り、それぞれ人智を超えた能力を発動する。ちなみに王位継承のもう一つの条件は光属性だ。継承条件に光属性があるのは、魔眼が強力すぎて、光属性でないとその器として耐えられないからだ。実際、魔眼持ちで別属性だったもののほとんどが夭逝している。


「で、瞳の色は何色なの?」


「紫色よ。あとまだ正確に計測できないんだけど、たぶん光属性ね。」


「よかったじゃない!これで複雑な王家のお世継ぎ問題から解放されるわね。」


 私たちはそのまま静かに王子を起こさないよう部屋を出た。アマリリスの執務室に戻ると、王太子妃付きの侍女がお茶と茶菓子を出してくれた。侍女が部屋から出ると、アマリリスからアベルとの再会についてあれこれ聞かれた。あれだけ強情にアベルに会いたくないと言い張っていた私がどうしてこんなに簡単に絆されたのか、不思議に思ったらしい。


「まあでも実際会ってみると、やっぱり好きなのよね。だって自分の理想を詰め込んだんだから仕方なくない?」


「そういうものなのかしら、乙女ゲームなんて作ろうと思ったことがないから分からないわ。」

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― 新着の感想 ―
先に他のところで色々書いちゃったけど、この話の最後で本人も自覚あることがわかってスッキリした!笑
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