1. ファビュラスでマーベラスな騎士様
「ちょっとぉ、リリーたん!ニュースよ、ニュース!今度騎士隊にとってもファビュラスでマーベラスな騎士様が派遣されてくるらしいのぉ~!まず私が仲良くなってあんたに紹介してあげるから、楽しみにしてて~♡」
「ふぁびゅらす!?まーべらす!?なんじゃそりゃ。」
ある日、『バー・ローズ』に顔を出すと、バーテンダー兼店長のローズが興奮気味に"業務連絡"してきた。今日も彼は調子がよさそうだ。
「マイダーリンの元上司なの!超イケメンで王宮にファンクラブもあるらしいわ。でも特定の相手はいないみたい!!人柄はダーリンのお墨付きよぉ~♡私がうまくアシストするから!あんたもクソなメンズたちから卒業ね!」
「いやいやいやいや、私はもう子どももいるし恋とか愛とか、本当にどうだっていいんだって。それにそんなに人気なら恋人ぐらいいるでしょ。逆にいないなら理想が高いとか特殊な性癖があるとか何か問題があるんじゃない?」
「そりゃそうかも知れないけど、チャンスは一つでも多いに越したことはないわ。それにリリーたんに恋愛する気がなくても魅力がだだもれだからメンズがほっとかないでしょ、レニエ子爵とか。これ以上、変なメンズを引っ掛ける前に至上の殿方を自分で釣り上げなさい!ほら、ちょ~お金持ちなのに、こんなにカワイイんだから!」
「ひぇっ」
ファビュラスだかマーベラスだか知らないけど、上級騎士に失礼があってはいけないから、ローズの暴走をとめたいところだ。しかしこうなると彼は他人の話を聞かない。
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