湖のそばの遺跡2
そうやって歩いていると、光る石板を見つけました。石板には古代の文字が刻まれており、それを解読するために天野が注意深く読み進めました。やがて、天野はユウカに向かって説明を始めました。
「ユウカ、この石板にはユウカ様のひな人形の力についての記述があります。この人形はただの装飾ではなく、異世界の守護者としての重要な役割を持っているようです。」
ユウカは興味津々で天野の言葉に耳を傾けました。「どんな力なの?」
天野は頷きながら続けました。「ひな人形や深くかかわるものには、それぞれ異なる力が宿っています。例えば、現在唯一である、ひな人形の世話役である私には治癒の力があり、傷ついた仲間を癒すことができます。お内裏様やお雛様には強力な守護の力があり、どのような攻撃を受けても傷つくことがありません。」
ユウカは感心しながら聞いていました。「他にはどんな力があるの?」
「三人官女には知恵と洞察力があり、困難な状況を打開するための重要なアドバイスを提供してくれるもので、五人囃子には音楽の力があり、戦いの最中に士気を高め、敵を惑わせることができます。右大臣と左大臣は、それぞれ強力な攻撃力と防御力を持ち、戦闘において大きな助けとなります。」
ユウカは深く頷きました。「ひな人形にはそんなに多くの力があるんだね。でも、どうやってその力を引き出すの?」
天野は微笑みながら答えました。「ひな人形の力を引き出すためには、信じる心が必要となります。あなたが自分自身を信じ、異世界から唯一持ち込むことができたひな人形を信じることで、その力が最大限に発揮することができます。それは、みんなの力を代理で使うことができる奇跡の代物です。しかし、お内裏様やお雛様の力は使うことができないようです。」
ユウカは自分の心に信じる力を感じ取りながら、ひな人形たちに触れました。彼女はその瞬間、自分の内なる力が解放されるのを感じました。「ありがとう、天野。私、ひな人形の力を信じるよ。」
天野は優しく頷きました。「その心を忘れないでください。私たちは共に強くなり、どんな困難にも立ち向かうことができるようになるはずです。」