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プロローグ

ユウカは祖母の家で過ごすひな祭りが大好きでした。毎年、祖母は家中に飾り付けをし、素晴らしいひな人形たちを並べていました。ユウカもまた、その伝統を楽しみながら手伝うのが常でした。今年もまた、ひな祭りの季節がやってきましたが、この年は特別な年となりました。

祖母はユウカを呼び寄せ、ひな人形の飾り付けを手伝わせました。その中には、他の人形とは少し違う、不思議なオーラを放つひな人形が一体ありました。「これは、私が若い頃に手に入れた特別な人形なのだよ。」と祖母は言いながら、その人形をユウカに手渡しました。

ユウカはその人形を手に取り、じっくりと観察しました。人形は美しく、細部まで丁寧に作り込まれていましたが、何か神秘的な力を感じさせるものでした。祖母の言葉が気になり、ユウカは質問しました。「この人形、何か特別な意味があるの?」

祖母は静かに微笑みながら答えました。「そうさ。この人形には古代からの魔法が宿っていると言われているんだ。ひな祭りの夜に、この人形と一緒に願い事をすれば、その願いが叶うかもしれないよ。」

その晩、ユウカは祖母の話を思い出しながら、ひな人形を飾り付けました。そして、異世界で冒険してみたいという願い事を心に抱きながら眠りにつきました。

ユウカが不思議なひな人形を飾り付けた晩、彼女はぐっすりと眠りにつきました。しかし、深夜になると突然、部屋の中にまばゆい光が広がり、ユウカは目を覚ましました。何が起こったのか理解できないまま、彼女は光に包まれ、そのまま引き込まれるようにして目の前の光景が一変しました。

気がつくと、ユウカは全く見知らぬ場所に立っていました。手に飾ったはずの祖母がくれた特別なひな人形を持っている以外寝た時の姿のままであった。そこは現実の世界とは異なり、異様な美しさに満ちた異世界でした。澄み渡る青空と鮮やかな花々が広がる草原が目の前に広がっていました。

遠くには、雪を頂いた山々がそびえ立ち、風に揺れる森林が広がっています。木々の間からは、さまざまな異形の動物たちが顔を覗かせ、不思議な声を発していました。花々の香りが風に乗って漂い、ユウカの心を落ち着かせます。

驚きと不安が交錯する中、ユウカは足元を見ると、先ほど飾っていたひな人形たちが現実の人々のように実体化し、彼女を取り囲んでいました。人形たちは微笑みを浮かべながら、ユウカに向かって話しかけます。「ようこそ、異世界へ。私たちはあなたの到着を待っていました。魔王様を倒し、かのものが奪い取っていったこの国を守るための宝玉を持ち帰っていただきたいです。」

ユウカは驚きながらも、不思議な感覚に包まれました。この世界で何が待ち受けているのか、彼女には全く予想がつきませんでしたが、冒険への期待が心の中に広がりました。ユウカは勇気を持って異世界の一歩を踏み出し、新たな冒険が始まることを決意しました。


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