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1話 神って何じゃい!

 ある冬の寒い日に目が覚めたらそこは俺の家ではなかった。

「う~ん…ここどこだよ!」

 確か俺は夜に飲み会に行ってから家に帰って~その先の記憶が無い…てか俺は白い床に座っていた。

「ここどこだよ?……」

 俺はあたりをキョロキョロと見渡す。随分と古びた小屋で、目の前には大きな扉が付いている。すると、目の前に誰かいる…

「フォフォフォ…これは成功ですかな…フォフォフォ……」

 誰だ?このじいさん……サンタクロースみたいな白い髭を蓄えた老人だ。紫色のローブを着ていて何かRPGに出て来る魔法使いみてぇだな…

「な、何だよ爺さん!俺に何か用か!」

「これはこれは……フォフォフォ……やっとお見えになりましたかな……」

 爺さんは笑いながらそう呟く。

「目覚める?一体何の事だよ?」

 俺がそう尋ねるのを聞いてないのか、老人は俺に向かって膝まづく。

「神よ!主神よ!よくご顕現なさいました!」

 は?何言ってんだこの爺さん…


「あのね爺さん…俺が神様だって?冗談じゃない人違いだろ!俺はただの日本人だ!」

「ニホンジン…ニホンジン!それがあなた様の真名なのですな!」

「何言ってんの…ニホンジンってのは大まかなくくりであって。俺は立川雷斗だ!ライト!」

「そ、そうなんですな…ではライト様…主神ライト様!よくご顕現なさいました!」

 ダメだこりゃ…名前はあってるけどさぁ。

 てか衝撃がデカすぎて忘れてたが俺はどうやら異世界転移したみたいだな…遂に俺にもお鉢が回って来たと。いや困るけどね?田舎でのんびり普通のスローライフ送るとかだったら考えようもあったけど。神様だよ!そんなのやってられるかい!

「てか爺さんの名前は何なんだよ…こっちの名前を聞くだけじゃ不公平だろ」

「これはこれは…ワシは枢機卿ウィリアムと申します」

 ウィリアムね……やっぱりド異世界ネームだ。てか爺さんは俺のこと神って言ってたけどどういうことだよ?今まで大体神様なんていちいち基軸世界に下りてこないもんじゃないのかね…だからこそ面倒くさいこと全部主人公に押し付けるわけであってさ…

「それで?俺を呼びつけた理由は?」

「フォフォフォ…それはですな……この世界を救っていただきたいのです…この世界を!」

 あ、そういう系のやつか……いや何で神様が世界を救うんだよ!いや待て普通に宗教の存在意義を考えればそっちが正しいんだよな…いやだからってできるかい!

「いやあの俺別に特別な力とかないですし…一般人なんですよ?」

「承知しております。ライト様は先の大戦であらゆる権能を犠牲にしてまで世界の危機を食い止めたと……だから力が十全ではないのですね」

「え?俺そんな偉業成し遂げてることになってんの?」

「えぇ…ですからワシが枢機卿として呼び出したのです」

「は、はぁ…」

 もうこれ以上この人と議論しても水掛け論でしかない。俺は諦めて現状を受け入れることにしたのだった。

「まぁ分かったよ…やればいいんでしょ。やれば…」

 そうして俺は立ち上がってそのまま部屋の中を歩いて行く。そうして扉を開けて見た。そこに広がっていたのは驚きの光景だ。


 外は豊かな緑に包まれ、その間を川が流れている。それは巨大な城壁に囲まれた街に流れ込んでいる。空はドラゴンやペガサスが飛び回る。異世界系ラノベで見たような夢の光景が


 広がっていると思っただろう…

 実際そこにあったのは茶色く開放感のある空間だった。奥に地平線がはっきり見える。

「ふぅ~!開放感がある~!!!」

 と喜んでもいられない。おかしいに決まっている。何で木の一本も生えていないんだ?

「なぁ爺さん……何で人間の町はおろかぺんぺん草の一本も生えてないんだ?」

「フォフォフォ……それはですね。大戦で巨大な勢力同士が争った結果その余波で環境が破壊されてしまったんですよ」

 えぇ…こういうのって神が何とかするもんじゃないのかよ!何か不思議な力で全てを癒してって…

「で?まさか俺にこの世界を救えって?」

「えぇ…この世界では生物がほとんど死滅してしまいました。人間も亜人もです……生き残ったのはあなた様とワシぐらいのものじゃ…」

 クソ~!何かよく分からないうちにとんでもないこと頼まれたよ。何でこんな面倒くさいことを人間に過ぎない俺がやらんといかんのよ!

「で?俺にどうしろと?」

「フォフォフォ……それはですね……まずはこの地域を復興していただきたいのですよ…」

 こうして俺、普通の大学生だったライトはこの荒廃した世界を復興することになったのである。

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