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07 アレ


 最初の目的地は、ニエルさんが探し人を見失った街。


 国境を二度越えるほどの距離、徒歩だと三ヶ月ほどかかろう。


 途中のギルドで依頼をこなして路銀を稼ぎながらの旅。


 みんなが内緒だけどと言ってへそくりを渡してくれたが、もちろん手をつけるつもりは無い。 必ず戻ってのしを付けて返してみせる。



 余程のことが無い限り馬車は使わぬと決めた。


 極力、歩く。


 マクラが歩きたい時はマクラのペースで。



 疲れたマクラを抱っこする役を巡っての私とノルシェの勝負は熱かった。


 さすがは産まれたときから抱きマクラを宿命付けられた娘、抱っこもおんぶも絶品なのである。


 優しいマクラは争い事を嫌うので、起きているときは双方穏やかに決着を付けるようにした。


 おねむのマクラを前にした抱きマクラ争奪戦の凄まじさは、もし佐州家の三人に見られていたらどん引きものだったろう。



 実はニエルさんから預かったネコさんマジックポーチの中には馬車が入っている。



『収納』魔法やマジックバッグは大まかに分類すれば二種類。


『収納』口の開く大きさの物しか出し入れ出来ない固定型。


『収納』口の大きさに関係無しの大きな物が出し入れ出来る開放型。



 開放型であったネコさんポーチから馬車が出てきた時にはさすがに驚いた。


 もっと驚いたのはその馬車の異様さ。


 試作型武装魔車という手書き文字のプレートが付いたそれは、明らかにこの世界の常識を超越した技術で製作されており、手書きの取扱説明書に記載された過剰な武装の数々は使用をためらって当たり前の危険極まりない代物であった。


 そもそも目立たぬように旅を続けなければならぬ私たちに、アレは無かろう。


 もしアレの封印を解く必要がある程の事態が起きたら、旅の中断を覚悟せねばなるまい。


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