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32 メイジ


 突然、王家からの使者が来る。



「いつもご苦労様です」

「僕って召喚者で転送魔法使いじゃないですか、だからこき使われかたも二倍なんですよ」



 なぜか嬉しそうな、この人の名は藪雨銘寺さん。


 本当にご苦労様です。



「はい、こちらが身分証明書兼用のバッチです」



 正直に言わせてもらえれば、とてもダサいバッチである。



「それがあると、同盟国内にある禁忌の場所のほとんどに入れますし、我が国と国交のある国ならどこでもフリーパスですよ」



 何か、思っていたより凄かった。



「詳しくは箱の方に入ってる説明書きでよろしくです。 あとこれにサインお願いしますね」



 受け取りに署名。



「はい、これで今からあなたはモノカ特使騎士さまです。 じゃ、そういうことで」



 メイジさんは挨拶する間も無く、転送して去った。



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