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23 出発
アリシエラさんが、私たちの持ってきた試作型武装魔車を整備してくれています。
「この子の使い方を覚えていってくださいねっ」
ちゃんとセーフティモード完備してますとのことで、ひと安心。
セシエラさんの微笑みが、なぜか少しだけ怖い。
「あの子たち、おいたが過ぎるようね」
聞けば、現領主や有力貴族たちみんなが何らかの形で子どもの頃にセシエラさんのお世話になっていたとのこと。
老婦人では無い、今のセシエラさんを見た彼らの反応やいかに。
そのセシエラさんを見つめるセシエリアさんの頬が少し赤らんでいる。
「私がメイドを目指すきっかけとなった方なんです」
運命に導かれるとは、よく言ったものだ。
準備万端、武装魔車に乗り込もうとすると後ろから元気な声援。
「お母さん、がんばれーっ」
マクラめ。
涙を見られぬよう、急いで乗り込み出発。




