19 惨状
疲れました。
疲れ果てましたよ。
例の凶悪車両はやはり武装魔車だそうです。
で、あのナイスバディネコミミメイドが製作者のアリシエラさん。
アイネさんの愉快な仲間たちの一員だそうです。
アリシエラさんの武装魔車には、アイネさんのご家族ご友人を含むこの村の全員が乗っていました。
いいよもう、何でもありで。
ただいまの村の広場の様子はカオスもカオス、絶賛大混乱中です。
事態を説明しているのはこの村の村長さんにしてアイネさんのお父さんのロイさん。
ここだけの話なんですが、渋くてナイスミドルですごい好みのタイプであります。
運命の人って、タイミングが大事なんですね。
王都から『転送』魔法で飛んできた偉そうなおじさんもおります。
まあ、よその国のお偉い方々たちもやらかしちゃったみたいなのでこれから揉めるんだろうな、と。
私たちはド平民なので、巻き込まないでくださいね。
あと周りに、縛られた人がいっぱい転がっております。
さっき死屍累々に見えた連中ですね。
生きてて良かったと言いたいところだけど、生き恥にも程があるでしょ。
死ねば良かったのにって、ここにマクラがいなかったらそう言ってたでしょうね。
今の惨状報告はこれくらいにして、問題は何があったのかなんでしょうけど、
それを聞かされた結果が、『疲れ果てました』なのです。
教えてくれたのは例のアリシエラさん。
いや、あれは教えてくれたなどと言う生優しいものでは無かったです。
『言葉の暴力』と言うのは、内容についてだけとは限りません。
量と速度が暴力になると身を持って体験させていただきましたのですよ。