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セシエラさんの煎れてくれたお茶をみんなで堪能しながらの自己紹介。
アイネさんはお父さんの住む村へ行く途中、怪しげな連中が可憐な少女たちに襲いかかっているのを見て思わず参戦しちゃったとのこと。
可憐な少女には私も含まれていると言う認識でよろしいですか。
この人を信用出来ないなら世の中のほぼ全ての人を信用出来なくなるじゃない、
と言う訳で、私たちの方の事情を事細かに説明。
真剣な表情で聞いてくれていたアイネさん、マクラのネコさんポーチを見た途端に静かに涙を落とした。
「お母さんのポーチだ」
運命って何なんだろう。
アイネさんはまさしく、私たちが探していたニエルさんの親友のリノアさんの娘、その人でした。
やめてセシエラさん、泣いているアイネさんを抱きしめているところなんて見せられたら、お姉さん泣いちゃうでしょ。
マクラ、そこに混ざっちゃダメ、こっちは涙を我慢するのに必死なんだから。
ノルシェずるいぞ、先に号泣すんなよな。