表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/33

11 潜入


 潜入は、素早く・目立たず・大胆に。


 さすがにこんなのは道場で教えてくれませんでしたが、まあ異世界生活の豆知識ってやつですかね。



 正直、私って地味ですから。


 ノルシェやリリシアさんや梨想さんたちみたいに華が無いから潜入には最適、ってうるさいわっ。


 そんなこんなで目的地到着っと。



 何か地味な平屋の一軒家です。


 貴族のお屋敷勤めだった方のお住まいには見えないですね。


 ノックしてもしもーし。


「どなた」


 あらやだ、素敵な老婦人。


「わたくしニエルさんの友人のモノカと言います。 少しお時間よろしいですか」


「どうぞお入りになって」



 老婦人の名はセシエラさん。


 事情を説明しても今イチ警戒を解いてくれなかったのでネコさんポーチをお見せすると、


 セシエラさん、涙をぽろぽろこぼしながら当時の状況を語ってくれました。



 狙われた母娘の脱出を手助けしたのは家族ぐるみの付き合いがあったセシエラさんのご主人。


 脱出は成功したけど、母娘が逃げた森の捜索で見つかったのはご主人の遺体だけだったそうです。



「よかったら、私もあなた方の旅に御同行させていただいてもよろしいかしら」


 セシエラさんの目には覚悟の光。



「私ももう長くは無いので、最後に後悔しないようにしたいの」


 聞けば病で残り少ない人生を思い残すことなく過ごしたいとのこと。



 そういう重たいのは私の柄じゃありません。


 ネコさんポーチからおもむろに取りいだしたるは、もしもの時にとニエルさんから託された秘薬。



 その名も『エリクサー改』


 とりあえず万病・万傷どんとこいらしいので、その旨説明して老婦人に手渡した。



「ニエルちゃん、お元気かしら」


 元気も元気、たぶんあの屋敷で一番生命力に溢れているのはあのちっこいサキュバスです。



 お上品な所作で薬を飲んでいる老婦人にお味の感想を聞こうとしたら、



「あらまあ」



 こっちがあらまあですよ、って言うか誰ですかあなた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ