01 光
『リヴァイス 03 召喚脱落者の追跡』の続きで、チームモノカのお話しです。
『リヴァイス 01 『収納』魔法使いと祝福の呪い』の登場人物が合流します。
お楽しみいただければ幸いです。
一寸先は闇などと言うが、光もある事を私は知っている。
それなりに数奇な運命を辿ってきた私にはそれを言う資格があると思う。
まさに今、私は全てを癒す光に包まれていた。
「モノカお姉さん、大丈夫?」
天使のささやきが聞こえる。
「起きて、モノカお姉さん」
もっと祝福しておくれ、子猫ちゃん。
「いい加減にしてください、モノカ」
ぐふぅ。
「なぜ毛布越しのみぞおちの正確な位置が分かるのかな、ノルシェ」
「毎朝変な小芝居するから嫌でも覚えちゃいますよ、モノカ」
「お姉さんたち、けんかしちゃだめだよ」
「「ごめんなさい」」
旅の途中、こんな感じでしょっちゅう繰り広げられている寸劇が私は大好きだ。
最近ゆるみ過ぎだとノルシェに言われるが、私なりに多少は考えている。
目指す場所は未だ遠いが、ここしばらく追っ手の影を感じていない安心感もある。
何より、父親と離れて旅をするマクラには出来るだけ笑顔でいてもらいたい。
「朝ごはんさめちゃう前に、起きてきてね」
「任せろっ」
跳ね起きて、全力で身支度を整える。
私を起こすマクラの声、
ノルシェの一撃、
美味そうな朝食の香り、
私の名前は、秘崎 萌乃果。
これがあるから、今日も頑張れるのだ。