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忘れたい彼と思い出せない彼女  作者: 赤白 青
9/28

お料理上手


まさかのお誘いに少し沈黙して思考が停止してしまった。


「急に言ってすいません。ご迷惑でしたよね。玄さんの所に行きましょうか。」


そして思考が再開される。

もしかして今俺はご飯に誘われた?

出来ればこの流れで玄さんの所に行きたかったのだが、この流れと長瀬さんの手料理が天秤にかかり揺れている。

結果

圧倒的に差をつけて長瀬さんの手料理が勝利した。


「嫌じゃありません。いただきます。」


俺は再び座り込んだ。

長瀬さんは一瞬驚いたようだが、すぐににこりと笑って立ち上がると、キッチンの方へと向かった。

鍋に火をかける音が聞こえる。

実は何が出てくるかおおよその検討はついている。

メニューは恐らくカレーだ。キッチンからカレーのいい匂いがしてくる。

カレー大好きです。


少しするとお盆にカレーとサラダを乗せて長瀬さんが戻ってきた。

よし、やっぱりカレーだ。


「カレーです。お口に合うかわかりませんが。」


「ありがとうございます。カレー大好きです。」


じゃがいもやニンジン、オーソドックスなカレーであるが、肉は大きめのサイズでカットされていて、凄いボリューム感あって美味しそう。


「いただきます。あつ、けど美味い。」


猫舌を忘れてパクりと食べたカレーは熱くてヤバかったが、味は絶品。

思わずガッツポーズをしてしまう。

カレー旨い。長瀬さんのカレー最高。

スプーンが止まらない。

結果、あっという間に食べてしまった。


「おかわりありますけど・・」


「いただきます。」


いつもなら遠慮してしまうのだが、何せカレーが旨い。断ることを考える間もなく返事をしてお皿を差し出してしまった。


「こんな美味しいカレーが作れるなんて、長瀬さんはいい奥さんになれそうですね。」


おかわりを持ってきてくれた長瀬さんに率直に思ったことを伝える。

そしておかわりもスプーンが止まらない。美味い

長瀬さんが何も話さなくなったのが気になり、スプーンを止めて顔をあげる。


「夕凪さんっておいくつなんですか?」


「23です。」


「年上って嫌いですか?」


「年上ですか?別に嫌いではないですけど。」


なんか突然の質問攻め。カレーに年は関係ないとおもうんだけどな。


「あのお願いがあるんですが、いいですか?」


「僕に出来ることであれば」


かしこまった感じの雰囲気。一体何をお願いされるんだ?

玄さんの所に一緒に行ってくれ?それは一緒に行くよな?

なんだろう?まさか告白とか?

いやいやまさかカレー食いながらそれはないな。ないよな・・?


「アタシと友達になってくれませんか?」


友達ってなってって頼むものだっけか?

予想とは少し違う質問に驚くも悪い気はしない。


「友達ですか?はい。いいですよ。」


「本当ですか?本当にいいんですか?」


「はい。」


まさかの質問ではあったが、別に嫌ではないので全然OK。ってか改まって友達になって下さいって言われたの初めてだわ。ってかそんなに喜ぶかな。

俺の視線の先では嬉しそうにガッツポーズをしている長瀬さんがいる。


「じゃあ敬語やめませんか?お友達なんですし。」


「そうですね。了解です。」


軽い感じでOKしちゃったけど、さっきの質問からして長瀬さんって俺より年上なんだろうけどタメ口でいいのかな?まあけど、女性に年齢を聞くのは失礼だよな。本人がそうしたいって言ってるんだからいっか。


「忘れる所だった。これ御守りです。」


忘れかけていたBird &Tree のキーホルダーを長瀬さんに手渡した。


「困ったことがあったらこのキーホルダーが助けてくれる・・かもしれない」


「ありがとう。凄く嬉しい。肌身離さす持ってるね。」


嬉しそうな長瀬さんの顔を見て、一安心。いらないって言われたらどうしようかと思ってたから。


美味しくてあっという間にカレーを食べ終えた俺は更におかわりまでして、玄さんのお店へと二人で向かった。



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