第163部 ドラゴン VS ヴァイキング船団
1248年12月21日 エストニア・ハープサル
*)「おう、俺に任せろ!!」
「ゴンドラ、お前のすることが一番危ういんだが、どうするのかな。」
「俺が低空飛行で船を沈めてやる。なぁ~に自慢の翼でひと仰ぎで済むさ。」
ゴンドラはドラゴンに変身して飛んでいった。
「オレグさま、頼もしいですね!」
と出番がなかったエレナがオレグに話しかける。遠くの海では風に乗って大きな雄叫びの声のみが聞こえる。ヴァイキングの声は届かない。
「ギャ~オ!」「・・・・・・。」「ギャ~オ!」「ギャ~オ!」「ギャ~オ!」「ギャ~オ!」
ドラゴンの鳴き声が聞こえる。
「ギャ~!」 「ギャ~!」 「ギャ~!」
ヴァンダ女王はオレグに向かって、
「ゴンドラは泣いていますね。」
「はい、しっかりと戦って啼いていますよ。」
「もう終わりです。」
「随分と早いですね。あんな船団を蹴散らすとは!」
「ゴンドラ、可愛そう!」
「ギャ~!」 「ギャ~!」 「ギャ~!」
ゴンドラは足の裏に火矢を受けて、痛くて泣いていた。ヴァンダ女王は、
「もう、終わりです。」
ドラゴンが逃げていった、のだった……。
「ガチョ~ン!!」……「お前、おちょくっているのか!」
オレグ、落胆す!