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人狼夫婦と妖精 ツインズの旅  作者: 冬忍 金銀花
第三章 オレグvsアルデアル公
154/257

第154部 処女航海へ


「オレグさん、少しとばし過ぎですよ。」

「キルケー許せ!」

「だんな! 俺の出番が無くなりました。いったいどうしてくれるんですか?」

「ボブすまね~な。後日挿し話にするからさ、な?」


「オレグどうして急ぐの?」

「なに面倒になっただけさ。気にするな。」


「オレグお兄さま、なにが面倒なのでしょうか?」

「 第153部を締めたかったのだよ。」

「それでこの章は面白くなるのですね?」

「いいやぜんぜん!」

「ふにゃ??」



 1247年11月7日 ポーランド・トチェフ村


*)帆船とクレーンと装備品


「鍛冶屋のレフさん、この大きい鉄の筒は運べませんね。」

「そうだよね~ここはボブのクレーンが出来るまでお預けだね。ゾフィちゃんそういうわけだ、もうしばらく待ってけろ!」

「え~イヤだ。お姉~境界の魔法でどうにかしてよ。」

「どうにかってと言っても、運ぶことはできるよ。でもねこの重たいのを抱えて砲台に据えることまでは出来ないのよ、分かる……??」

「う……うん。」


 ショボンとして引き下がるゾフィ。こういうところは幼い子供に思える。


「クレーンが出来たらさ、すぐに据えるからさ、な?」

「レフさん絶対に一番で頼むよ。」

「おう任せな!」


 レフは注文を受けてから七日で五門の大砲を制作していた。だから、(ケ、俺の驚異的な職人技を褒めてもらいたいものだ。)と思っているが、あの三姉妹どころかオレグすら褒めてくれない、声もかけてくれないのだった。


 その点、家具職人のヘンリクの仕事ぶりは良く評価されていた。なにせ仕事振りが見てとれるからだ。



 だが今は建築のジグムントとその弟子の五人がとても忙しく働いている。最初の仕事がボブ船長の指令室だった。


「おうジグムント。俺の船長室は大きいんだな。」

「やぁボブ船長。御機嫌よう! はいこの大きさはオレグさんの指示なのですよ。なにせ司令室兼宿泊室ですもの。」

「俺は大きい机と椅子さえ在ればいいのだよ。他は…まぁ~棚くらいだが。」

「指令室でしたら旦那の部屋も造らないいけませんですよ。」

「だんな?…あぁオレグか。奴は船倉でいいのだよ。あの女たちと寝れればいいのだからな。」

「そう仰いますな、とにかくあっしは仕事を進めるだけですから。後はご自由にされたらいいでしょう。」

「そうだな、オレグは入れないように結界を張るよ。」

「羊皮紙に書いて貼るのでしょう?…オレグ! 立ち入り禁止!!」

「……・・・。」

「オレグのみ入室料、金貨一枚! が、いいですぜ??」

「じゃかましい! 黙りやがれこのいかれポンコツ!」


 ジグムントは船長室が大まかに出来上がると、


「ここはお前らの二人で続きを仕上げろ。出来るだろう?」

「へい親方、任せて下さい。出来は五十点くらいで??」

「あぁそれでいい。……次はお姫様の部屋を造る。」

「へ~い!」x3


「く~~、ドイツもポーランドも俺をバカにしやがって……。」


 と言うボブ船長だ。



 そこに石工のマシュがゾフィを訪ねてきた。


「リリーさん、材木の運搬ご苦労さまです。」

「あ、マシュさん。ご苦労さま。ホント、か弱い女の子にこ~んな大きい木材を運ばせるのですもの。いい迷惑だわ。」

「そう仰いますな。これらは全部お姫様ら部屋の材料になるのでしょう?」


「いいえこれは全部ゾフィとボブ二号のクレーンの部材になるのです。私たちの部材は板材加工の職人さんが頑張って作っていますわ。」


「へ~そういうものですか~!」

「あ、ゾフィなら一番下の部屋に居ますから、声を掛けてくだ…、いや、ここに呼びますから少しお待ちになって。」

「下には降りれないのでしょうか?」

「そうね、死なないまでも命には関わるほどの生命力が抜けますわ。」

「お~イヤだ。この船は呪われていると、どこかのチャカさんが言っていましたが、本当なのですね。」

「そうでもないわ。もしそれが本当でしたら、私たちのお部屋は造れませんわよ。ただ……今はあちらの都合が悪いだけですのよ。」


「へ~……。」

「…… ゾフィ、召喚。」


「おいリリー。声を掛けてくれないか。一気に呼ばれたらあいつらが驚くんだよな……、分かったか年増女としまおんな!」

「と、年増だなんて。そうね階下の娘にはとても敵わないわ。もう三百五十歳になろうとしている! やいゾフィ。私になにを言わせるのよ。」

「おいらだって同じさ。下ではさんざんジジイ、ジジイ、と呼ばれているもん。お互い様さ!」

「あんたら三百五十歳??……。おおこわ!!」

「マシュ、ただの冗談よ。私たちが三百歳を超えているいなんてウソですよ。」

「え、あ、ま、そうですね……。」

「マシュ、出来たんだね。」

「はい出来上がりました。いつ運び込みますか?」

「そこの三百五十歳の女の子に頼んでくれよ。俺はいつでもいいよ。ただ砲台が出来ていないから試し撃ちもできないんだな。」


「リリーさん大砲の玉の運搬ご苦労さまです。」

「んまぁ!……はいはい承知いたしました。ゾフィこれは貸しだからね。」

「いいよ全部借りておくよ。可愛い妹のためだよ、しっかりね!」

「うぐぐググ・・・・・。妹ため??…私は姉よ! 」


「マシュさん、玉はいくつ在るのですか?」

「三百五十個!!」

「んまぁ!!……。マシュのいじわる!」

「ほぇ!?」


 それから十日は過ぎただろうか。クレーンが完成した。


「だんな、本当に俺の活躍話は、ボツですかい?」

「だな。これが簡単でいいだろう。」

「そこは、第93部 クレーンの完成のように、詳しくお願いしますよ。」

「そこは、第93部のクレーンの完成を読んでおけ!」


「だんな、いい死に方はしませんぜ!」

「あぁそう……だろうな。俺もそう思うよ。」




 1247年11月22日 ポーランド・トチェフ村


 朝早くオレグは船のクルーを集めて、


「ようやく船が出来上がった。明日の朝には出発するから各自の荷物は忘れずに積み込んでおけ。」

「ボス、了解です。」

「船の披露宴が済んだら全員、船で宿泊するようにしてくれ。さもないと置いていくことになるかもしれないからね!」

「ボス了解です。甲板ででもよろしいのでしょうか。」

「凍えないならばな。」


 船倉にはライ麦、トチェフの器、ワイン、ややカビたブドウの果実等が山ほど積み込みされている。肉類はリリー特性の保冷庫に多数。そのほかはリリーの結界に保存されている。


「オレグ、いくら寒いからとはいえ、ビール樽は甲板に山積みでいいのかい?」

「シビルさえ節度を守ってくれれば積荷は安全だよ。」

「ケッ、この俺さまがネズミのまねはしないよ。」

「それはそうだがドラ猫も居るかもな!」


 シビルの視線はビール樽にくぎ付けになっている。シビルが動けないのはリリーが大猫避けの結界を張っているからだろうか。



*)進水式


「鍛冶屋のレフ爺、今日は帆船の進水式なんだ。大砲の祝砲が撃てないとはいったいどうしてだ!」

「ゾフィさんすまね~。部品が足りないんだ。今日はお嬢の火球のみでお願いしますよ。ね?」

「ニコっ!」


「ゾフィ試しに砲火をしたらどうだい。」

「め、めっそうもありません。今、玉と火球を入れましたら大砲が海に飛んで行きます。オレグさん海に落ちたら……もう知りません!」

「おいゾフィ。…だ、そうだ、ロープで結んでおけばいいのだろうさ。」

「そうだねそうするよ。レフさん後は頼んだよ。」

「え”!~そんな~・・・・・・。」


 ゾフィは大砲に石の玉を全砲門に詰め込んだのだった。


「あ、あわ、あわあわ!あわわ!!」

「レフ爺さん。泡を噴いて卒倒したが大丈夫かな。」

「後はシビルに任せておけば大丈夫よ、今日の事は全部記憶から消すのだもの。」


 リリーは可愛い顔をしているが言うことはなかなか過激だ。


「あぁ?? 俺がどうしたって……?」

「はいシビルさまには、今晩には夢魔法をお願いするね!」

「おうビールを飲ませてくれたらな!」

「ラ・ジャー!」

「ブ?・・・・・・!」


「シビル、飲みすぎよ!」

「まだ飲んでいないよ。いったいいつになれば飲めるんだい。」

「祝砲の後にだね。」


「おう、だったら俺が全部火を着けてやるよ!」


「ばこ~ん!」x5


 いきなり五門の大砲が火を噴いたのだった。心配した砲台の破損もなく大砲はその場に残っていた。


「シビル、いつの間に玉を抜いたんだい。」

「んん?!? さぁいつかしら?」


「チィ~~ス!!」「カンペェ~!」「かんぱ~い!」「キャッホ~!!」


「オレグ、おめでとう!!」「私、悔しいからオレグ、海に落ちなさい!」

「おおきに! グラマリナさまこそ、井戸に落ちたらよろしいのに?」

「おまえ~死ねば~!!」「あ、はぁ~、死んだら金が入りませんよ~!」

「それは困るわ~。」


 隣どうしで他愛のない罵詈雑言が飛んでいた。ただ二人だけだが……。


「リリー食材はあるのだよね。」

「はい私の木の箱にたんまりと……。」


「おうゾフィ。精霊さまと仲がいいのだな!」

「うるさい! 黙れ! ボブはシャチのエサになれ!」


「オレグ~! 愛の巣で待っているわ~。」


「喧しい!! 今から処女航海に出る。行先はエストニアだ!!」

「駄猫の姉妹を拾いに行くのですね!」

「あぁヒグマもな!」


「オレグ、もしかしたら、あのクズ女も拾うのかしら?」

「船に乗る前に優劣は決めてくれよ。この前みたいにドンパチをして、船を沈められたら困るよ。」

「オレグ、だ~いじょうぶよ、あの女を沈めちゃうからね!」


「ソフィアが沈みそうだな~!!」

「あぁ、ああ? オレグ、今なんと言ったのかしら、あ、ああん??」


 来賓として呼ばれていたマクシムとチャカの夫妻は、もう、本当に祝辞を述べることも出来ない雰囲気だったという。これは三年後の感想だったが。


 トチェフ村の港には多数の人が集まっていた。5門の大砲が祝辞を述べるように火を噴いた。気絶していたレフが爆音で目を覚ます。無事な大砲を見て安堵したのだがやはり欠陥があった。大砲の先端が大きく膨らんだり、捲れたりしているのだ。


「大砲の先端を根巻するのを忘れていた。結果がこれくらいで済んで良かった。」


 レフは恨めしそうに宴会を眺めながらもトンカチで形を整えて根巻をはめ込む準備をしている。


「おいゾフィ。レフを手伝ってやれよ。」

「え~オレグ。イヤだよ。」

「お前の自慢の大砲だろう? だったら少しは自分でも造るものだ。」

「そうよゾフィ爺さま、お手伝いが先ですわ。」x3


 風のヴェーヤスマーテ、火のウーグンスマーテ、海のジューラスマーテが声を揃えてオレグを支持した。


 ゾフィはしぶしぶレフの作業が早く済むように、砲門の先端を火球で熱して手伝いを始めた。


「レフの旦那、お待たせ・・・・・。」

「お前がもっと早く来ておれば、このような失態は無かったんだぞ。お前! クビだ!!」

「イヤですよ、もう~ご冗談がお好きなのですね。」

「冗談ではないぞ。今、この場から海に落ちてしまえ!」

「バコ~ン!」「ひぇ~!」「ざぶ~ん!」「あ、落ちた!」

「あ、わりぃ。うっかり火球を充填しちまった!」


「リリーレフを落としたから拾ってくれないか。」

「んま~レフは生きていればいいのですが……。」

「ひぇ~!! 私は帰りま~す! 殺される~!」


 レフの弟子が血相を変えて飛び出すように船から逃げ出した。


 船倉では独りジグムントがお姫様の部屋を仕上げていたのだが、


「おい、ジグムント。ワインを飲みながらは無理じゃないか?」

「そういうボブさんは、表に出て飲まないのですかい?……イテテ!!」

「ほら、自分の手を打ちつけた!」

「ボブさんが声を掛けるからですよ。黙ってて下さい。」

「その部屋に覗き穴を作る事をかい?」

「あ、いや、これは、……旦那の指示です。・・・内緒です。」

「バレないようにとは、ご苦労なこった。」


 ジグムントはなにを作っているのだろうか。


 披露宴は夜まで続いた。翌朝は処女航海の日なのだが・・・・・。




*)いざ、処女航海へ


 オレグはクルーの点呼を行って寝た。


 ボブ船長、ボブ二号、ソワレとエレナ。シーンプのその娘の二人。シビル、キルケー、ボブ二号の嫁、ヴァンダ王女とゴンドラ。風のヴェーヤスマーテと海のジューラスマーテ、火のウーグンスマーテ。魔女兼メイドが六人。


 客としてマクシムとチャカ。デーヴィッドとエルザと娘。この五人はグダニスクで降りる。あとはオレグ、ソフィア、ゾフィになる。


 これらの全員が目覚めたころは、すでにグダニスクの港に停泊していた。


「リリーすまなかったな。大きくて重たいからさぞや大変だっただろう。」

「そうね、本当に一晩もかかってしまったわ。私と魔女の六人は休みます。あとはオレグが朝食の手配をお願いね。」

「あぁ任せておけ。港のパブに直行するさ。」

「わ~。ずる~い!」


「オレグさん、無事な航海を祈っております。」

「マクシムさんもお元気で。積荷のライ麦はすでに倉庫に運んでおります。残りはギュンターに指示しておりますのでよろしくお頼みいたしますよ。」

「はい先のライ麦と残りとライ麦は私が検品しておきますから、安心してくださいね。」

「チャカ、あまりくすねないでおくれよ。代金は俺の口座に振り込んでくれ。けっしてあの女には渡さないでくれよ。」

「はい、トチェフのグラマリナさまには注意しておきます。」


「ワインの管理は部下に任せてはいるが、在庫の五十%は販売の委託でいいかな。その代金から三十%はイワバのお姫様に支払って頂きたい。」

「残りの半分はどのように。」

「もう残らず積んでいるよ!」

「へ!……もうですか。」

「すぐに新酒ができるんだ。これは指示書だ。今回、新酒の七十%はマクシムさんで捌いてくれないか。残りは姫様への税金でいいだろう。」

「ビールも全量、税金に差し出すのですか?」

「ま、そうなるわな。ギュンターには俺から送金が出来ないから、部下の給金と経費としての金はギュンターに払ってくれ。雑用ばかりですまないな。」

「では新酒のワインの代金はそれらの費用に充てますので、全額預かりますがよろしいですよね?」

「それでお願いするよ。あ、それと、俺の帰るまでに造船ギルドを買い取って頂きたいが、その資金は貸付でいいか。帰り次第に金利二十%で支払うよ。」

「おほう~……それで構いません。まだ他にはございませんか?」

「金利が付かないのならばなんぼでも有るが……。」

「それは残念。他に問題が発生しましたら、任意で解決いたしておきます。」


「それで頼む。来春と秋のライ麦は全量でお願いして、エストニアでやり掛けの仕事を終わらせるので、俺の帰宅はおおよそ一年後になるだろうか。」

「はい留守の間はトチェフ村をお守りいたしておきます。」


 マクシムはオレグと別れた後に、


「チャカ、グダニスクで一番大きい造船ギルドを創ってくれ。一年後には金貨で一万枚で販売できるだろう。」

「まぁ、マクシムのワル!」

「序だ、お前がギルド長に就任しておけ。オレグの売買後でも残るように手続きはしておけよ。」

「はい解ったわ。私も社長に就任ね!」

「それで軍資金は、金貨で五千枚だな。残りは自分の金庫から出せよ。」

「マクのケチ!」

「ま、マク!……。」


 目を大きくして驚くマクシムと目を細めて微笑む最強の夫婦が誕生した。



「ボブ船長。グダニスクで水の積み込みと、塩とろうそくの積み込みを行う予定だが順調だろうな。」

「兄ちゃん大丈夫だ。任せておけ。」


 ここにも目を細めてなにやら悪巧みを心に秘めた男がいた。また麻の服とかを買い込んでいるのだろうか。



「オレグ、朝飯を出せ。」

「ゾフィ、俺は忙しい。夜まで待て。」

「ケ、しゃぁないな。リリーの倉庫に行くよ。」


 と言いながらリリーの保冷庫に近づくと、


「ギャー!!」


 と喚くゾフィが出来上がった。シビルも同じく「ぎゃー!」と悲鳴を上げるのだった。その後のゾフィは……、


 港の広場にはエルザの臨時パブが出来上がりつつあった。夕方からはまた宴会が始まるのだろうか。トチェフからの荷馬車が三台も到着した。


「オレグさん、昨晩の残り物はすべて頂いたわよ!」


 とちゃっかりと食べ物をくすねて売るつもりのエルザが言う。


「どうだい、俺が言ったとおりに出来ただろう?」

「ゾフィさん上手くいきましたわ。このクジラの串焼きは出さずに……いえ、お代はいりませんのでたくさん食べて下さい。」


 というエルザは、昨晩の残飯に手を加えてゾフィに出すのだった。


「安上がりだわ、ルンルン!!」



 夕方になり宴会が始まった。酒がでるのだ当然に宴会へと場が大きくなる。翌朝には帆を揚げての処女航海へと出るのだが。

  

 ゾフィと三人の精霊のエレルギーが満タンになった。もちろんシビルと六人の魔女らも満タンに。不可解なのがオレグの大食だった。ゾフィにも劣らぬように肉肉肉……を食べていた。この日を境にオレグの大食が始まった。



 三人の精霊は階下の部屋に籠り船に動力を与える準備が出来た。


「よ~し帆を揚げろ~!」

「おう!!!」x18


「ゾフィ、空砲で祝砲を撃て!」

「あいよ全砲門に火球装填、ファイヤー!」

「バッコ~ン!」x5


 大きい火柱が走った。


 西風を受けて帆船が動き出した。得手に帆を揚げる時が来たのだ。


「この風はシビルか~。」

「いいや違うが? オレグ俺も風を送るのか!」


 領主からかリリーに小さな植木鉢が贈られていた。赤、白、黄、ピンクと可愛らしいつぼみがついていた。


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