始まりの始まり
side:ディエル
「報告,三番機が撃墜されました」
「システム,付近の友軍残存数は!?」
「報告,当機のみ」
なぜこうなったんだ・・・こんなことになるなら・・・
「報告,シールド残量3%,これ以上の被弾は撃墜へ繋がる,早急の離脱を進言」
「システム,それができる状況に見えるか?周りは全て敵だ,これでどうやって離脱しろというのか!」
「報告,当機には試験的にワープドライブが搭載されている,これを起動し敵の包囲網を突破することを提案」
なんだって!?そんなもの聞いていないぞ・・・どういうことだ!
「システム,それはどういうことだ自分は聞いていない」
「報告,依頼主からは非常時以外は報告を禁じられていた,現在撃墜直前の為報告した」
っ・・・言うのが遅いんだよ・・・だから安もんは嫌いなんだ!
「システム,ワープドライブを作動せよ」
「報告,シールド停止,エンジンへの被弾を確認,ワープドライブ損傷のため作動困難」
「ふざけるな!いいからやれ!システム!」
「了解,ワープドライブ作動開始」
「ワープドライブチャージ65%,これ以上のチャージは困難」
「ならそれでやれ!急げ!」
「了解,ワープドライブ展開,ワープ開始,到着予想座標不明」
クソボットがいいからやればいいんだよ!
「システム,急げ」
「ワープ開始」
っ・・・負荷が・・・うっ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「報告,ワープ完了,周囲を確認,ボイド空間と予想」
「報告,生体機能低下を確認,早急の治療が必要」
「報告,機体損傷率78%,航行不可能」
うっ・・・めまいが・・・
「シス,テム,緊急治療キットを・・・」
「了解,緊急治療キットを使用」
意識が・・・遠のく・・・
「報告,固体名称ディエルの生体機能停止を確認,当機は自爆します,自爆プログラム作動」
「報告,5,4,3,2,1,作動」
こうしてまた一つの戦いが終わり,デブリが増えたのです・・・