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秘密
グランデだけが知らなかった秘密…
それはそれは可哀想じゃった
ワルツを踊る国には
鏡
がなかったんじゃ…
姿を写すような物は全て撤去された
つまりじゃの
グランデは己の醜い姿を知らなかったのじゃ
国の者は皆
グランデと当たり前に
何も変わらなく
接してきた
それは民の優しさじゃったんじゃが…
ある日、グランデは
とある者に
酷い扱いを受けた
それは国外から派遣された
兵士じゃった…
ワルツを踊る国はもともと
国外国交もなく
閉ざされた国じゃった
独自の文化を築き上げ
領土も増やしていった
新たに派遣された兵士の一人が口を
滑らしたのじゃ…
グランデはその日以来、
姿をくらました