3話
よろしくです!
「帰ってきたのか?」
思わずそう呟く。周りを見渡すと、どうやら召喚された時と同じ場所にいるみたいだ。辺りは暗く、7時くらいだろうか。
「今は……何時だ?」
そう、あっちに召喚されて一年が経っている。こっちの世界でも同じように時間が流れているのか、そうじゃないかわからない。
「と、とりあえず家に帰ろう」
路地裏を抜けるとそこには見覚えのあるような無いような光景があった。
「少なくとも時間が経ってないってことは無いか」
工事でもしたんだろう。だが、道は変わっていなかったのでなんとか家にたどり着いた。
すごく緊張する。自分の家だろう!ビビってどうする!
がちゃりとドアを開けて入る。
「た、ただいまー…」
へ、返事がこない。聞こえなかったんだろうか?
「ただいま!」
その時、突然後ろのドアが開き、
「え、だ、誰、ですか?」
「え、?鈴音?」
そう、入ってきた人物は鈴音だった。だが、容姿が変わっていてすぐに理解できなかった。前はどちらかというと『可愛い』感じだったのが、それに加え『綺麗』が入ってきている。
「え?なんで私の名前を?す、ストーカー?」
「え!?ち、違う!僕だよ!タツキ!お前の兄貴の!」
「はあ!?ウソ!だって兄貴は…!」
「ウソじゃねえよ!あ!なら証拠を見せてやるよ!例えば…そうだな、少なくとも15歳まではクマのぬいぐるみと寝てた!」
「なあぁ!?なんで知って…!?」
みるみるうちに、鈴音の顔が赤くなっていく。
「他にはー…。未だにピーマンが食べられない!」
「そ!そんな…こと……は」
どうだ!今は知らんが、15歳にもなってピーマンが食べられないというのは少しばかり恥ずかしい!
「あとはー」
「も、もういい!え?本当に兄貴なの?」
「だからそう言ってるだろ。とりあえず中で座って話そう」
こうして、懐かしの我が家に帰ってきた。
あざした!