5-3 秋葉原
青梅線から中央線への直通電車に乗って、およそ二時間。秋葉原は、東京都を西から東へほぼ横断した先にある。
ネーヤが駅に降りたとき、時計はすでに六時半を指していた。所要時間で言えば、異世界の学校へ行くよりも、この町のほうがずっと遠い。
「えーと、この角かな?」
リツに渡された地図は、目印だけを書いた簡易なものだ。近頃、日本人同士でのやりとりは位置情報を送って済ませてしまうので、手書きの地図は逆に新鮮だった。
目指す店は、地味な雑居ビルの三階にあった。「タナカ・ステーション」という、何を売っているんだかまったく分からない店だ。
「お邪魔しまーす……」
エレベーターを降りると、目の前がすぐ入口になっていた。中には背の高い棚が並び、そこにプラスチックの収納ケースがいくつも並んでいる。それぞれに値札と、アルファベットと数字を並べた暗号のような商品名がついていて、ケースの中には小さな袋が山になっていた。袋の中身が商品なのは分かるが、これは一体何なのか。馴染みのない空間におずおずと踏み込んでみると、左手の奥にあったレジカウンターから、「いらっしゃいませー!」と明るい声がする。
レジカウンターに座っているのは、エプロンをつけた眼鏡の少年だ。おそらく、ネーヤと同じくらいの年だろう。
「何かお探しですか?」
「あっ、はい! ちょっと、人に頼まれて買い物を……」
言いかけたところで、ふと少年がエプロンの下に着ている制服に気付き、まじまじと凝視してしまう。ワイシャツにネクタイ、それに見覚えのあるブレザー。
「お客様?」
「……あ、すみません、その制服、どこかで見たなと思って……学校はどちらなんですか?」
眼鏡をかけた少年は、一瞬だけ怪訝そうな顔をしてから、ネーヤでも知っている私立の有名進学校の名前を口にした。「バイトなら許可取ってますよ」と笑顔で付け加えて。
――ウソでしょ……そりゃあ、あたしなんかより頭がいいはずだわ、あいつ。
内心で舌を巻きながら、ネーヤはそんなことを思う。
少年のブレザーの襟には、「2」という学年章がついている。確かリツも、中退していなければ二年生だったはず……と思いながら、ネーヤはリツの書いたメモを差し出した。
「すごいんですね、どおりで見たことがあるわけです。買い物なんですけど、これで分かりますか?」
「いや、自分なんて大したことは。ああ、はい、これなら――」
メモを受け取った少年は、「この字……」と呟き、ハッと弾かれたように顔を上げる。
「――ところで、お客様はどちらからいらしたんですか?」
「古里のほうからです。こんなに遠いんですね。あ、これを頼んできた友達は、もっと遠くにいるのでしょうがないんですけど……」
それだけの回答で、少年は何かを察したらしい。ポカンと口を開けたあとで、おずおずと訊ねてきた。
「その友達って、去年、ウチの学校を中退してたりしません? だとしたら、この店を指定してくるようなヤツは、一人しか知らないんですが」
「……リツのこと、ご存知なんですか?」
その名前を聞いた少年は、信じられない、という顔で目を見開き、
「――親友です」
喜色を抑えられない様子で、大きく頷いた。
* * *
レジに「ご用の方は声をかけてください」の札を残し、少年は奥の狭い部屋にネーヤを通した。店番はいいのか、と訊ねると、少年は「呼ばれたら応対しますよ。それで充分でしょう」と悪びれもせずに言う。
「あの、ところで、ここって何のお店なんですか?」
「主に電子工作の……あー……まあ、ロボットの部品とか売ってる店ですね」
さっぱり分かっていないネーヤの顔を見て、少年はすぐに説明を諦めたようだ。しかし、今はそんなことよりも、お互いに知りたいことがある。
クッションを敷いたパイプ椅子にネーヤを座らせ、長机を挟んだ反対側の椅子に腰を下ろして、少年は真剣な表情で口を開く。
「改めて……初めまして、自分は三島春臣と言います。りっちゃんとは幼馴染みで、去年の秋にあいつが辞めるまでは、学校も同じでした」
“りっちゃん”。親しげな、そして聞き慣れないその響きに、思わずドキリとする。
証拠です、と差し出されたタブレットの画面には、一枚の写真が表示されていた。髪こそ黒いが、明らかにネーヤの知るリツの顔だ。ネーヤが見たこともないほど屈託のない笑顔で、三島や他の友人と一緒にフレームに収まっている。
これは学校の教室だろうか。少年たちが囲む机の上に、謎の機械らしきものが写っていた。白い板の上にレゴブロックのように部品が並び、それらをまたぐようにケーブルが生え、一部のケーブルはその隣に置いた、おもちゃのショベルカーに繋がっている。これが何をするものなのかはさっぱり分からないが、写真の中の少年たちが皆でこれを作ったのだということは察せられた。
毎日のように見ているはずの顔。けれど、そこにいるのは、ネーヤがまるで知らない人々に囲まれ、まるで知らない場所で、まるで知らないことをして、まるで知らない表情をした彼の姿だった。
「教えてください。あいつは、エルトラにいるんですか?」
思わず画面を凝視していたネーヤは、続く言葉に驚いて顔を上げる。
「どうしてそれを?」
「古里市の人が、“もっと遠くにいる”友達から買い物を頼まれたって時点で、それくらいは想像がつきます。注文に型番の指定がないのは、ネットが繋がらないところでこれを書いた証拠でしょう」
答えを待つ三島に、「はい」とネーヤは頷いてみせた。
「あたしは早坂音衣也と言います。色々と事情があって、エルトラにある定時制の高校とダブルスクールをしています。リツとは、エルトラの学校での同級生です」
ネーヤの言葉を咀嚼するように数秒考えてから、そうですか、と三島は頷く。
「りっちゃ……吉村は、元気ですか? インターネットの繋がらない世界で、あのウェブ中毒が生きて行けるとは、正直思えなくて。禁断症状で苦しんでいたりしませんか?」
「ヨシムラ?」
反射的に問い返す。
「りっちゃんですよ、吉村律……あ、もしかして、苗字変わったりしてますか?」
「ち、ちょっと待ってください! 彼、日本人なんですか? ずっと日本に?」
怪訝そうな表情で三島は頷いた。何でそんなことを、と言いかけ、首を振って言い直す。
「親の代からコテコテの横浜市民ですよ。自分、あいつとは保育園から一緒ですから、ずっと日本にいたのは間違いありません」
「……今の彼の名前は、リツ・エイス・ヴァネイザって言います。今の学校、エルトラで長く教育を受けてるんじゃなければ、国籍がないと入れないはず……」
「え? でも、あいつはお祖母さんの代から横浜に……あ、いや待て、ひょっとして、お母さんのほうがエルトラ人か……? ウソだろ……」
三島が数秒でたどり着いたその結論を、ネーヤはとうてい信じられずにいた。
ネーヤの常識では、それは、あるはずがないと言ってもいいものだ。
古里に《トンネル》が現れてから、民間人が自由に行き来できるようになるまでには二、三年のタイムラグがある。かなり早い段階で混血の子供は産まれているが、ほとんどが自衛隊か騎士の関係者のはずだ。ネーヤが知る限り、そうした子供たちは、基本的に古里かアクナムの学校で教育を受けている。最初は健康状態を見守るために。今は大人たちのさまざまな思惑によって。
だから、「保育園から横浜で育った」という彼の経歴は、何かがおかしい。
密入国者の子供である可能性はあるが、だとすれば逆に、エルトラですんなり国立の総合学院に入れたことに違和感がある。《トンネル》が出現した当初、異世界の存在を強く恐れたエルトラの政府は、密入国者を見つけ次第捕らえていたと聞く。それを逃れるため日本に留まっていたのだとしたら、エルトラには出生を届け出ることができないだろう。ならば一度捕らえられ、日本の要請で解放された人々なのだろうか。可能性はあるが、幼少期をそんな状況で過ごしてきたとすれば、さすがに三島が知っているように思う。
――じゃあ、彼はいったい、何者なの?
「まあ、何でもいいや。こんなもの買おうってくらいだから、少なくとも元気に生きてはいるんですよね? とりあえず、それだけでも安心しましたよ」
「あの、リツは引っ越す時に何も言わなかったんですか? どこへ行くとか……」
「そりゃ……ある日突然、退学届を出して夜逃げですからね。寝耳に水でしたよ。自分も、吉村の行方を知らないかって、変な人たちに何度も聞かれましたし。あいつの家にも張り込んでる人たちがいて、近寄れたもんじゃありませんでしたよ」
あ、本当に行方は知らないんですよ、と三島は真顔で付け加える。自分がその「変な人」の仲間ではないかと疑われているのだ――とネーヤが気付いたのは、もう少し後のことだ。
「学校に置いていった私物は、三島が預かってるって伝えてください。まあ、教科書とかジャージとか、その程度ですけど」
三島の声を聞きながら、リツはこうなると分かっていたのだろうか、とネーヤは考える。
「分かりました。リツなら元気にしてますよ。今は親戚の家にいて、働きながら学校に来てるみたいです」
「へえ、すごいな。なんか遠い世界だ……って、実際に遠いのか。異世界ですもんね。仕事って何を?」
「町工場で、魔具を作っていると」
「ああ、魔法のアイテムですか! すげえ! そっかあ……言われてみれば、町工場ってのもけっこう似合う気がしますね。モノを作るのは好きなはずですし」
うん、と自己完結して頷いたあと、三島は眼鏡を押し上げ、身を乗り出してくる。
「ところで、早坂さんは吉村の何なんですか? 彼女?」
「たっ、ただの友達ですよ! ……そういえば、彼、こっちに彼女とかいたんですか?」
「オレが知る限りはいませんよ。男子校で出会いもなかったし。あっ、もしかして狙ってます? あいつはちょっと危なっかしいし、頭いいのにバカだし、何かにハマると周りが見えなくなるけど、根はホントいいヤツなんで! よろしく頼みます!」
饒舌に語られ、ついでに拝むポーズまでされて、ネーヤは思わず椅子を引いて後ずさる。
「あ、いや、あたしは……そっ、そういえば、さっきリツは夜逃げしたって言いましたよね。借金でもあったんですか?」
「あれ、夜逃げだってことはご存知なかったんですか? 言わないほうが良かったかな」
焦った顔の三島に、「いえ」と首を振ってみせる。
「親の商売が傾いたのでエルトラに戻って来た、とは聞いています」
「ならいいんですけど……正直、自分もそれ以上のことは分からないんですよね。いっそ本人に聞いちゃえばいいんじゃないですか? 何か分かったら、自分にも教えてくださいよ」
「そ、そう……ですね」
微妙な沈黙。三島が「まあ、その話は置いといて!」と、つとめて明るく声を上げた。
「あいつのことだから、言葉は何とかなると思いますけど、ちゃんとやれてますか?」
「はい。友達もいるし、成績もいいですよ。口はすっごく悪いけど。あ、日本語ならそうでもないんですけどね」
「口が悪い? あいつが? へえ……それは面白いことを聞いた。みんなにも……あ、いや、言わない方がいいですよね。生きてるらしいってウワサだけ流しておきます」
てきぱきと答える三島だが、何かにつけて口元がゆるんでいる。勘当した息子の行方を十年ぶりに知った父親みたいだ、とネーヤは思った。
――この人は本当に、ずっとリツのことを心配してたんだ。
安堵すると同時に、リツはどんな気持ちだったんだろう、とネーヤは内心で首をひねる。連絡のひとつくらい、頼まれればいつでも仲介したのに、と思うと、なにやら妙に腹立たしくなってくる。
「あ、そうだ、早坂さんの連絡先、教えてもらってもいいですか?」
「こちらこそ!」
メールアドレスと電話番号、それに加えていくつかの交流ツールのIDを交換する。その手続きはまるで、お互いに、この細い糸が切れることをひどく恐れているかのようでもあった。
「そうだ、買い物でしたよね。待っててください、いま見つくろいます」
しばらくの会話の後、そう言って三島は店のほうへと戻っていく。ネーヤは「はい」と大人しくうなずき、パイプ椅子の背もたれに体重を預けて、部屋の中に貼られた見知らぬアニメのポスターを眺めていた。
* * *
袋はずっしりと重く、持ち手をかけた腕に食い込んでくる。トンネルを越えれば、魔法で重量の軽減もできるが、それでも汎用魔具とイクルという資称の組み合わせでは、「少しはマシ」というレベルがせいぜいだ。いつもの飛行用魔具がないのがせめてもの救いである。
二重にした紙袋の中には、何だか分からない部品がたくさんと、説明書きか何かが印刷された十数枚の紙、ついでに「オマケです」と渡された、板状のものを収めているらしい箱。顔なじみの渡界局職員は、「今日も重そうね」の一言で、大したチェックもなしにネーヤを通してくれた。
トンネルを抜け、妖精力をたっぷり含んだ空気を吸い込んで一息入れたところで、ネーヤは渡界局のロビーに見慣れた人物を見つける。
「ルー兄!」
空いた手を振ると、長身の青年――ルグイは笑顔で長椅子から立ち上がる。
「やあ、ネーヤ。これから学校かな。……それは?」
ルグイが紙袋に視線を向ける。
「これ? 日本のマンガ。翻訳版が出てないから、せめて原書が読みたいって友達に頼まれたの。古本屋でまとめ買いしてきたんだけど、意外に重くって困ったよ」
反射的に嘘が出てきて、少し驚く。マンガを買い集めてユイルたちに貸しているのは本当だが、数冊ずつ運んでいるからこんな荷物にはならない。けれど、正直に話せば、三島やリツのことまでペラペラと話してしまいそうだった。せっかく三島が周囲には話さないと言ってくれたのだから、こちらも不用意に口外しないほうが良いような気がしていた。
「異世界の本を持ち込むのは構わないけど、あまり大っぴらにはしないでおくれよ。上の人たちは、問題のある本が持ち込まれないように、ずいぶん気をつかっているそうだからね」
「分かってる、友達に貸すだけよ。それじゃ、あたしもう行かなきゃ」
立ち去ろうとするネーヤを、「待ってくれ」とルグイが呼び止める。
「君の、あのクラスメイト――リツ・エイスのことなんだが」
ルグイが深刻そうな表情を浮かべたのを見て、ネーヤは不思議そうに首を傾げる。
ぽん、と優しく彼女の肩に手を置くと、ルグイは身をかがめて声を落とす。
「彼には気をつけたほうがいい。できることなら、距離を置くことを勧めるよ」
三島の話を聞く前のネーヤならば、おそらくその言葉に、「なに言ってるの? 余計なお世話よ」と腹を立てていただろう。
だが、今は少し事情が違う。眉を寄せ、小声で問い返した。
「彼のこと、なにか知ってるの?」
「少しだけ。彼のことを、というよりは、彼の家族のことを、と言うべきかな」
「ルー兄」
周囲を気遣いながら、ネーヤもこそこそと答える。
「彼がハーフだってことなら、あたしも知ってるよ」
ルグイが一瞬、「えっ」とうろたえたような声を出す。
「どこでそれを……」
つぶやくように問いかけてから、彼は周囲をうかがうと、ネーヤを上層階のラウンジへと引っ張って行った。
* * *
ラウンジの窓からはアクナムの町が一望できるが、二人にとっては今さら物珍しいものでもない。ソファや雑誌、新聞が置かれたラウンジは、全体的に日本とエルトラの文化を折衷した内装になっている。奥には遮音用魔具が設置された半個室のスペースがあり、ルグイはそこに腰を下ろした。ついたての形をした遮音用魔具は、落ち着いた雰囲気の喫茶店ならば当然のように設置されているもので、使用者の資称に関わらず、それなりに機能するようになっている。
「ねえ、ちょっと、そんな怖い顔してどうしたの?」
「怖い顔もしたくなるというものだよ。君にまとわりついている男が、あんな訳ありだと知ってはね。……君はどこまで聞いている? アクナムの騎士隊が、彼の母親を追っていることは知っているのかな?」
「……へっ? なんで?」
急に予想外の単語が出てきた。ネーヤはきょとんとした顔で問い返す。
騎士隊といえば、日本で言う警察のようなものだ。近隣の外敵をほぼ取り除き、あるいは取り込んだため、この国は戦争をしなくなって久しい。この時代、騎士の主な仕事は国内の治安維持である。
「彼の母親はニンジャだからね。父親については、僕も詳しくはないけれど」
ニンジャ、は日本語からの借用語だが、もちろん古来からの意味での忍者ではない。情報収集や工作のために暗躍する人間の俗称だ。
「日本が放ったもの?」
「おそらく違う。彼女はジャルム属州の出身だそうだから、大方そこか、繋がりの深い進歩派だろう。僕も偶然知ったところでね、詳しいところまでは、こんな若造には教えてはくれないのさ」
何だか急に喉が渇いて、ネーヤは鞄から水筒を引っぱり出す。今まで知らなかった、いや知ろうともしなかった彼の顔が、ここに来て次々と現れてくる。
「リツは、関係ないんでしょう?」
「正直、彼の周囲もきな臭いよ。彼自身、何か目的があって動いているのかも」
「どういうこと?」
「まだ確認は取れていないが、彼自身が進歩派の人間と接触しているという話もある。学院を中心に、あちこちを嗅ぎ回っているという話もあるんだ」
「進歩派……って、べつに三大派閥でもないよね? そんなに危ないの?」
日本との関係を巡っては、エルトラ国内にもいくつかの立場がある。そして、彼らの対立の中心となる場所のひとつが、当然ながらこの国境の町アクナムだ。
たいていの町には一つしかない騎士隊詰め所が、この町には三つもあるのがその影響のひとつである。三つの詰め所と派閥は対応しているわけではないし、表向きは詰め所同士の仲が悪いわけでもない。そもそも、大規模な戦力をこの町に配備すること自体には、どの派閥も反対してはいないのだ。その目的には多少の差があるが。
「最近、彼らはまた首都のほうで勢力を盛り返している。せっかく皆が苦労して関係を築いているというのに、遠くから難癖をつけるのは、もう勘弁してもらいたいよ」
そうした苦労話は、たまにルグイからも、父からも聞かされていた。どんな立場を取るにせよ、彼らが二つの世界にとって最も良い関係を模索していることだけは、ネーヤにも伝わってくる。
「ネーヤ、君はあのハヤサカ少将の娘なんだ。不用意に動けば、自衛隊そのものの動きと絡めて語られかねない。もう一度言うけれど、できれば距離を置いたほうがいい」
そして、実質的な第四の詰め所として、この町には小規模ながら自衛隊の駐屯地も存在している。ネーヤの父親がそこで重職に就いているということは、動かしようのない事実だ。それくらいは、ネーヤ自身だって認識している。
「で、でも……」
「何も、急に無視しろと言っているわけじゃないんだ。ただ、彼と特別親しいと思われることはやめた方がいいだろうね」
――いや、それはもう、遅いような気がするんだけどなあ……。
内心でそう思いながら、ネーヤは「考えておくよ」と頷いた。




