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エディゾーン   作者: 橋本 つつと
家族決戦変
5/5

選択

タケルたちが解説を聞いている頃、両親は解説をスキップし、一足早くゲームの世界にいた。

「うっわぁぁ久しぶりの感覚だぁ」

「そうね。がんばらないと」

「おっと、母さん、今回は負けてもいいんだぞ別に」

「目的が違うものね。あの子たちはどこまでやれるのかしら」

「あぁ、わくわくしてるよ俺も。まぁ手を抜く気はないけどな。しかし、よくマップレーダーに応じたなぁあいつら、乗らなくてもよかったのに」

「龍がなんか言ったんでしょうねきっと」

「別に受けなくてもいいのにな俺らが楽になるだけだし」

「でも、いいじゃない。それもそれで楽しいわよきっと」

「そうだな、楽しみだ。おっと、そろそろ行くかな、あいつらも来たことだし」

「えぇ」


タケル達はゲームの世界に入ったとたん、驚いていた。

「ここって・・」

「多分みんなの考えてる通りだと思うよ」

「だよね、そうだよね」

「こりゃ驚くなぁ」

「リアルすぎる、てか現実?」

そう、ゲームのステージは、我が家だった。

「しょっぱなからやるなぁ、父さん」

龍兄は不敵に笑った。

『みなさま、武器を選択してください』

「「うわぁ」」

急に声が聞こえたので驚いた。

あ、そうだった、確かエメルさんが言ってたような。

みんなの前に武器の選択画面が出てきた。

なるほど、ピストル、ライフル、ショットガン、マシンガンの中から選べって事か。

武器をスクロールすると、横に小さく説明文が出てくる。

俺は、一番見たことがあるライフルを選んだ。

ボルトアクション・フルオートのどちらかを選べと言われたので、使いやすそうなフルオートを選んだ。

「なるほど、連射できるってことかぁ。うんうんこれでいい。てか、重みまで感じられんのかよおもっ」

みんなもそれぞれ選んだ様子。

龍兄はマシンガン、チカはピストル、ダイは俺と同じくライフル、シイはショットガンを選んだ。

ピストルは二丁拳銃なのか、てか、シイはショットガンかよ。初心者が使うのには無理が、、まぁいいか。

それより、ずっと気になっていたことが1つ。

「フィールドはどこまでなの?」

そう、シイが言う通り、どこからどこまでがフィールドなんだろうか。あ、でも父さんがなんかいってたような。

「まぁ、その確認も含めて少し歩こう。相手がこちらのマップだけ見れる状況だったら、とまってるのはまずい」

確かに。

「じゃあ行こっか……」

「ちょいまち」

皆を呼び止めたのは、ダイ。

「なんだよダイ」

「ルールがまだあるけどいいの?」

珍しく誰かより先に話始めたダイ。なのでみんなも少し驚いていた。

「けど、サブルールならいいんじゃないか?」

「でも、俺らは未経験者なんだよ? せめてルールだけでもあっちと同じ状況でいようよ」

「分かった分かった」

龍兄は、やれやれという感じで右手のボタンを押した。

『ルールの確認ですね。どのルールの確認ですか?』

えーっと、武器の確認とかじゃなくて、「サブルールの確認」これか。

画面を押すと、ずらっと文字が出てきた。

「サブルールでこんなにあんのかよ」

確かにこの量は多い。どれかにしぼるのは無理そう。

一応気になったやつだけ見てみよう。



「おい、母さんあいつらなんで動かないんだ?」

「さぁ。まぁ、初めてだからじゃないかしら」

「確かに、俺も最初はこんな感じだったなぁ。まずはルールみたいな感じでさ」

「こういうのは、直感で動いた方がいいのよ。大体のルールは教えてもらったんだから」

「でも、やっぱ心配になっちゃうだろう?」

「まぁ、それより、あの子に伝えたのよね?」

「もちろん。布石は打っといたよ。しかし、母さんもエグいことするよなぁ。相手は初心者なのに」

「目的のためよ。さて、拠点も確認し終わったし、行くとしますか」

「おうよ」



「この感覚システムってなに」

「射撃された場合に、衝撃が体全体に響くようになっています。なお、痛みは感じないので安心してください。だって」

じゃあなんでいるんだこのシステム。

「じゃあなんでいるのこのシステム」

また、考えてたことを。

「多分、撃たれてると認識するためじゃない? ゲームでもよくあるじゃん。撃たれると画面が赤くなったりするやつ」

「なるほど」

「なるほど」

ダイとハモってしまった。悔しい。

ダイはハモったのでにやけていた。きもっ。

すっと、ダイの奥で手をあげたのはシイ。

「いっかい試したほうがいいと思う」

「は?」

思わず声をあげてしまった。

「いっかい誰か撃たれてみようよ。ね、龍兄?」

「お前、それは俺に死ねっていってるよね」

いや、それより……

「それより、仲間を撃てんの?」

「撃てるよ。そう書いてあるし」

「なんで撃てんの?」

「さぁ、分からないけど。まぁ一回、一回だけだから」

「え、やだよ俺撃たれたくないもん。タケルやれよ」

「俺に振らないでよ」

「もう、龍兄はいつも威張るだけ威張っておいて弱いからなぁ」

「なんだよ、文句あんのかよ」

「じゃあいいよ」

シイは目線をそらしてそっぽを向いてしまった。

「いや、それよりも、早く拠点に向かわないと、ゲームはスタートしたんだから」

俺はみんなを急かした。

「そだな、よし行くか」

「拠点は、マップに表示されんだよな」

「うん。えっと、俺らのは一階の本棚付近と、チカの部屋と、トイレかよ。まぁいっか、とにかくいこう」

「待って」

またも呼び止めたのはダイ。

みんなもまたかよと言わんばかりの視線。

シイはさっきのことがあったからか、余計に視線がキツイ。

「まだ、もう少し書いてあるよ」

「うるせーなダイ、細かいんだよお前は」

「そうかなぁ」

「ほら、行くぞ」

「分かった」

ダイもしぶしぶ行く気になった。

だが、この時のダイは何かを感じ取っていたのかもしれない。

そう、俺たちは、最後までルールを確認しなかった。

そこに大事なことがかかれているとも知らず。

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