表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エディゾーン   作者: 橋本 つつと
家族決戦変
3/5

家族のはなし

「兄ちゃん、ソフト取ってよ」

ごろ寝しながらゲームをやっているのは、妹のチカである。

「お前のほうが近いだろ」

「おねがぁい」

「絶対やだ」

「ちっ」

舌打ちして、チカはソフトを取った。

ていうか、取るなら最初から行けよ。しかし、相当古いゲームをやっているようだけど、楽しいのかな?

「お前それ楽しいの?」

「普通に楽しいけど。なに?」

「いや、なんでも」

き、気まずい。早く部屋から出よう。

俺は妹の部屋から出てリビングに向かった。

なんで妹の部屋に居たかは、あれ、なんでだろ。

リビングに着くと、いつもどおりのにぎやかさだった。

「いい加減買ってくれたっていいじゃん」

「お前には、いや、お前らにはいらないと何万回言わせんだ」

はぁ、ホントにあきないよねあの二人は。物心ついたときから同じやり取りをしてた気がする。

「兄ちゃん、またやってんの?」

「当たり前だわ。お前だって欲しいだろ? エルファンK」

「確かにそうだけど、無理じゃね?」

「俺はあきらめない」

そうですか。しかし、お父さんもなんでそんなに反対するんだろうか。まぁ、やりたいのはたしかだけど。

「おはー」

「おはっす」

来たな、バカ二人め。

「遅すぎんだろ。もう昼前だぞ」

「いいじゃん今日日曜日だし」

「同じくー」

「確かにそうだけど、あーもう」

怒るのが馬鹿馬鹿しい。

「タケ兄またキレてる」

「それな」

ウザイウザイウザイウザイホントウザイ。

あいつらが来ると、ストレスがたまって仕方なくなる。

「てか、龍兄はまたやってんじゃん」

「それなぁ」

それなぁをやめろ。

「飯食ってこいよ」

少し怒りを混じらせながら言ったが、まったくその考えが効かず。

「わかったー」

「同じくー」

といった口調で返された。

あいつらなんなんだよ。まったく。


時刻は12時30分みんながリビングに集合した。

なんとなくの流れでみんなが集まってきたので俺もつられて集まった。だけど、なんで集まったのかを俺は思い出せずにいた。

「みんなに聞きたいことがある」

父が切り出した。

「エルファンK欲しいか?」

何を言い出すんだよ、欲しいに決まってんじゃん。

「「「当たり前でしょ」」」

兄弟全員で、答えた。

父と母はお互いを見合った後、僕らに言った。

「なら、買ってやらなくもない」

俺らは全員唖然とした。

今まであんだけ反対してきた父が、急に買ってくれるなんて言い出すんだから、そりゃこの反応になってもしかたない。

俺らは、全員で向き合った後、肩を組んで踊った。

よっしゃぁ。やっと、やっとエルファンができる。よしっ。

兄弟全員でガッツポーズをした。

が、父の言葉はそれで終わらなかった。

「お前らが勝てればな」

「・・・・は?」

何をいってんだよ父さん、買ってくれるんだろ?

「みんなは、今日がなんの日か知ってるよな」

「チカの誕生日」

「その通りだシイ。今日は、チカの15歳の誕生日だ。忘れてないよな?」

あっ、そうだった、チカが何を欲しがってんのか聞こうとしてアイツの部屋に行ったんだった。そうだったわ、忘れてたぁ。

だけど、それとエルファンになんの関係があるんだろう。

「それとエルファンになんの関係があんの?」

俺が考えてた事をまんま同じように、ダイが聞いた。

「フフフフフ、お前らは15規制を知ってるか?」

「15歳以上には、刺激が強いとかで見れない映画とか、やれないゲームとかがあるってやつだよね」

父さんは、うなずいた。

「そうだ。俺が子供の頃は15歳未満はダメって規制だったけど、今はそうなっている」

父さんが結論を早く言ってくれないので、ダイとシイがソワソワし始めた。

「そこでだ、お前らにチャンスをやろう」

なんだそのラスボスみたいな言葉は。

「L.O.Aで、俺らに勝ったら、エルファンKを買ってやる」

えっ、はっ、えっ?

兄弟皆が疑問符を浮かべていた。

「チカは、今日で15歳。これでお前ら兄弟は皆15歳以上になった。ということは、15規制のL.O.Aを家族全員でできるようになったということだ。となれば、勝負をつけるにはもってこいだろ」

「ちょっ、ふざけ・・うぐっ」

反抗しようとした俺の口を龍兄が防いだ。

「何すんだよ龍兄」

「まてタケル、これを受けなければもう俺らにエルファンが来ることはない。ならば、これを受けるしかないだろ」

「でも、俺らL.O.Aやったことないんだよ?」

俺の言葉を聞いて龍兄は笑った。

「何を言ってんだよ、俺らはたくさんのゲームをクリアしてきただろ?」

「そうだけど、あれは、今までにないゲームだったみたいだよ? それなのに、未経験の俺らが勝てんのかな」

すごい心配してた俺をよそに、他の4人はやる気に満ちていた。

「大丈夫、あっちは2人こっちは5人だ、どう考えても負けはしないさ」

た、たしかに、人数的な差はデカい。これなら勝てるかもしれない。

「どうだ、やる気になったか?」

俺らは、もう一度向き合い、うなずき、そして父さんに言った。

「「「おう」」」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ