Ep.
これにて、涼ちゃん編は終了。
お付き合いありがとうございました。
既に合宿から一ヶ月がたった。今テニス部は県大会に向けて最終調整に入っている。バスケ部のI.H.の試合もちょくちょく見に行ってる。この一ヶ月は色々な事があった。
ユウ達の日曜練習に参加した時が、一番楽しかったかもしれないっスね。私が行く時に使った鞄は桜凛のレギュラーが使うエナメルバッグなんスけど、誰もそれに気づかないし(ユウは可笑しそうに笑ってたけど)、ルーやんと一 on 一して負かした時は、一年とか他の二年のメンバー全員がこの人マジで何者―!!と叫んでた。で、五月蠅いって主将の緑川さんと、日向さんの黒い笑みで黙らされてた。うん、ドンマイとしか言いようが無いッスね……。
タッキーとマリっちとも遊んだんスよ。幼馴染組に囲まれて居心地悪いかなって思ったけど、そんな事は無く、すずむーの誕プレを買う事が出来た。もうすぐ誕生日だからタクと一緒にドッキリを企画してたんスけど、七宝メンバーにバレて皆で企画中だ。
七宝の相棒は仲間だろと言っていたタッキーにはちょっと吃驚した。海王中バスケ部はノリがいい人が、何でこんなに揃ってるんスかね?
タクんとこ遊びに行った時も、合宿来たメンバー以外には盛大に驚かれた。更に監督の天野さんがうちに来いって言って帰してくれなかったから本当に困ったっス。なんとか、秀央の皆さんに助けられて逃げられたんスけど。あ~、怖かったな、あれ。
そうそう、合宿終わって五日以内に皆から小包とかが届いたんスよ。誕プレ、わざわざ買って送ってくれたんス。ミサンガとか、キーホルダーとか、お菓子も届いたっスね。ユウとタッキー、ルーやんとマリっちは割り勘してバッシュを買ってくれた。白に桜凛カラーである紺の入ったバッシュは大切に使わせてもらってるっス!!
I.H.に差し入れを持って行った時なんて、相田先輩に差し入れ持って行ってもらおうとすれば、伊月先輩に拉致られて、桜凛の皆に再会。逃げようとしたら星野監督に心配したんだぞって抱きしめられた。なんで、抱きしめられたのか今でもわかんないっス……。今となっては笑い話っスけど。
「涼、書き終わったかい?」「あ、うん。書き終わったっスよ、ごめん待たせて」
「涼先輩!!帰りましょ!!」「落ち着けっスよ。村田っちもデータ纏めてないで帰ろ?」
ああ、と言って村田っちは立ち上がる。私が立ち直れたのは、七宝の皆が拒絶しなかったってのもあったけど、テニス部の皆のお陰でもあると思うんスよね~。SCSって事は一生秘密にするつもりっスけど、なんかようやく吹っ切れたって感じがする。
出していたペンを片付けて、ドアを開けて皆の所に駆け出せば、皆笑顔で私を待っていて。
「帰ろっか」と言う赤沢っちの声で、足を踏み出す。ふわっと心地よい風が私たちを包み込むようにして吹いてきて、私の髪をふわっと浮かばせた。
――――――――――――――――――――――――― Fin.
次の話が浮かぶまで休載となります。
ネタを下さるとあらぶって話を仕上げるかもしれません。(笑
明日?にでも、次回の予告を上げます。ネタがまだ固まってませんので、お待ち頂くことになるとは思いますがこれからもよろしくお願いします。