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S.C.S.   作者: 麗羅
~海王中バスケ部は最強です~
17/19

十六.また会うまで

次の日って言うのが微妙な朝(解散したの結局十二:五十で寝たの一:〇〇)。

「おはようございます」

キッチンでマリっちと朝食を作っていればユウが戻ってきた。

「ユウくんおはよう」「おはよーユウ」

朝は昨日の晩が中華だったので和食にした。

今日の十時にどちらの部活も帰るらしく、バスが迎えにくるんだって。ツーとリューセーは今日中に帰り着けばいいらしく、時間は問題じゃ無いって言ってた。今の時刻は七:〇〇だから、朝食後は何をしていてもいい。リューセーと日向さんと監督達は次の合宿について話し込むらしい。私も参加したいな~。


「おい、木村。越前と小田連れて外のコート行くけど来るか?」

「行く行く!!」「麻里も来い」「しょうがないな~」

私とマリっちがキッチンを片付け終わるとタッキーがきて、みんなでワイワイしながらコートに向かう。タクとすずむーとユウも誘ったけど、練習がしたいと言うので無理に誘わなかった。すずむーだけは苦笑しながらタクに着いていく事にしたようだ。

「これだからたっくんは…。木村ちゃんは楽しんでこいよ」って言ってくれた。気遣いが出来るすずむーだからこそ、言葉の少なくてちょっと我が儘なタクの相棒が出来るんだよな~って改めた思ったッス。


その後八:四〇まで一 on 一したり二 on 二したりしてたら、ミーティングが終わったであろうリューセーがユウをつれてやってきた。二人を混ぜてバスケのみにゲームしてたら、直ぐに時間は過ぎて九:三〇になった。ちょっとしんみりしていたらリューセーが声を掛けてきて。

「また集まればいいだろ。いくぞ」

言うならルーやんとかユウだと思っていたから、ちょっと吃驚した。リューセーってこんなに優しかったっけ?絶対王政とか恐怖政治敷いてたと思うんだけどな。

横でタッキーも驚いていてちょっと面白い顔になってたけど、笑ったらどやされるんで我慢するのが大変だったっス。


皆で喋りながら食堂に戻れば、既に八割位集まっていた。勿論タクやすずむーの姿もある。いつの間にかリューセーはステージでマイクを持って待機していた。

「次回の合宿はI.H.が終わった夏休みにする事になった。その時は洛川も東泉も桜凛も参加する。大所帯になるが互いに技術を伸ばすいい機会になる。無論そこの駄犬も参加させる。いいな?」「は、はいっス!!ってか、駄犬じゃないっスよぉ!!」

いきなり、リューセーが話し振ってきてので吃驚した。内容は私にとってもメリットがでかいので参加させてもらいたい。

「では、連絡は終わりだ」

リューセーはマイクを置いて戻ってきた。

「ね、リューセー」「なんだ?」

リューセーの目がこちらを向く。

「あのメニューもらえるっスか?あと、合宿中にテニス部の用事が重なったらどうするんスか?」

「メニューは帰ってからメールで送っておく。テニス部については自分で考えろ」

丸投げ!?リューセー酷い。横暴なのは相変わらずっスね…。まあ、参加させてもらえるだけマシなんスよね……。

「ぜ、善処シマス」

タッキーが笑ったのが見えたので蹴っといた。イテッて言っても知らないっス。


「ね、マリっち。また遊び行こ。美味しいとこ色々聞いとくからさ」「うん!いいよ」

あのお菓子は美味しいだのあの先輩はあーだのそんな取り止めの無い話をしていれば出発時間は直ぐに来る。帰る準備をして玄関に行っていると、

「木村くん!!」

ユウに呼び止められて、後ろを振り向けば優しく笑うユウが見える。

「また、一緒にバスケしませんか?カントクも遊びに来るのは大歓迎だって言ってました」

「じゃ、日曜日の練習の時とか呼んで欲しいッス!!用が無ければ行くから」

ユウは綺麗に笑ってメールしますねって言った。ルーやんはその横で一 on 一しよーぜって言ったので、勝たせないっスよと笑えば、こっちの台詞だとにやりと笑って二人はバスの方へ向かった。

「なあ、木村ちゃん。うちにも来いよ。監督も転校してこいとか言う位だし文句言わねーって。な、たっくんもそう思うだろ?」

「お、俺は関係ないだろ!!まあ、来たければ来ればいいだろう」

そう言って眼鏡をクイっとあげる。私とすずむーは顔を見合わせる。それに、気づかずタクは続けた。

「別に来たとしてもなんの問題も無いからな」

(これってツンデレっスか?)(ああ。すげーデレてるな)

私とすずむーはアイコンタクトとで会話して吹き出す。恥ずかしくなったのかタクは「な、何を笑っている!鈴村行くぞ」と言って足早にその場を後にする。

「ハイハイ。たくっ。うちのエース様はこれだからな~。じゃあな木村ちゃん」

バイバイと背を向けて手を振るすずむーはタクを追っていった。

「きー君、お菓子ない~?」「そういうと思って昨日の取っといたっスよ」

ビニールに入れたクッキーを渡せばサンキューと言って皆の後に続いて先にバスに乗り込んだ。

「おい、木村」

名前を呼ばれて振り向けば、タッキーとリューセーという不思議な組み合わせが立っていた。珍しいっスね。

「一 on 一したくなったらメールして来いよ。気が向いたら付き合ってやるよ」

「マジで!!んじゃ、メールするっス!!嘘ついたら許さないっスよ!!」

「あー。分かってるよ。んじゃオレ先行くわ」

タッキーはバスに乗り込む。

「……涼」

「ハイっス」

リューセーに呼ばれるとなんか背筋伸ばさないといけない気がして仕方ない。そんな訳で私の背は今ピンと伸びてると思う。

洛川(うち)に来ないか?」

その一言で私は固まった。ちょ、マリっちの予想が当たってたって、どう言う事っスか!?いや、風読の姫宮って呼ばれてるくらい、演算能力が高いのは知ってるけど、いくら今までのデータが揃ってるからって何で予想できるんスか!?

「何で急に?」「お前のバスケの腕と空気を読む所を買ってだが?」

そう言ってくれるのは凄く嬉しいし、光栄なんスけど……。なんか照れ臭い。

けど、洛川って、京都じゃ無いっスか。そっちまで行くのは面倒臭い……大変スよね。勿論、先詠の皇帝様々である、リューセーには私の考えなんて見え見えなんだろうけど。

「どうなんだ?」「え、遠慮するっス。嬉しいお誘いっスけど、やっぱ引き受けた事は最後まで全うしなきゃいけないっスよ」

「なら、やり通せるよな」「当然!!」

私をじっと見て、ふと笑ったリューセーは私の頭をぽんぽん叩いて「またな」と言って颯爽とバスに乗り込んでいった。


皆を乗せたバスは三台とも発車していく。私はそれが見えなくなるまで手を振って見送った。

「涼、出発するよ」「すぐ行くっス、赤沢っち!!」「!! 分かった、急いでね」

私は駆け足でバスに乗り込み、バスはすぐに出発した。



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