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5ショートストーリーズ3

5ショートストーリーズ3 その1【永遠】

掲載日:2014/11/30

誰もが気軽に口にする「永遠」という言葉。さて…

 結婚式で永遠なる愛を誓った若い二人。

「お前を永遠とわに愛するよ」

「うれしい! 私もよ!」

 激しい抱擁、そして接吻。幸せそうな二人。

 三年後、離婚という形で、二人の永遠は終わった。

 

 小学校の卒業式で涙ぐむ生徒達。

「中学校に行ってもズッ友だよ!」

「もう、親友なんだから永遠に友達よ!」

「そうよそうよ。永遠にズッ友よぉおおお!」

 半年後、それぞれの進学先で別の友達が出来、親友達の永遠は終

わった。


 宝石店特別室にて高級ダイヤモンドを勧める店員。

「この輝きをご覧ください。これこそがダイヤモンドの真髄です」

「永遠の輝き。じゃろう?」

「お客様、お目が高くていらっしゃる。まあ、それなりにお値段

は…」

「ちょっと失礼いたします、おい、君、これはデモ用のイミテーシ

ョンだろ」

「あっ、失礼しました。お客様、こちらが本物のダイヤモンドでご

ざいます」

「あ、お、おう…」

 この者達には初めから永遠など無かった。


 喧嘩ばかりしている老夫婦。互いに百をいくつか越え、今は施設

で暮らしている。

「鈴木さん、結婚して八十年なのね。スゴイわ。永遠の愛を誓って

八十年か」

「馬鹿言わないでおくれ。おじいさんとは腐れ縁。戦争の出征前に

夜這いにあって…」

「お前、その話はもういいじゃろうが。わしも魔が差したんじゃ」

「あら! そうなの? それが縁で永遠の愛を…」

 二人が一斉に

「違うわ!」

 ここには少しだけ永遠の可能性があるかもしれない。


              *


「さて諸君、以上のサンプルにて語るのはまだまだ時期尚早だろう

が」

「いや、もう十分でしょ。ここの星の【永遠】の長さは零~せいぜ

い百年がいいところ」

「だな。そもそもこの概念は…」

「もういいですよ、いつもの話は。じゃ、帰りましょうか」

「だな。しかし、この事実を、この星の人達にも教えてあげたいも

のだ」

 M星雲第9惑星から来た宇宙船は、次第に速度を上げ、輝きながら

夜空に消えた。


「あ、おとうさん、今星が消えた!」

 散歩中の親子。子供が夜空を指差して小さく叫んだ。

「へえ、星が消えたのか。珍しいものを観たね」

「おとうさん、星も永遠じゃないのね」

「永遠だって? そんなものは無いのさ。永遠とは、お飾りの言葉

だよ」

「お飾り?」

 子供が首をかしげる。

「ほら、プレゼントの中身がしょぼくても、包みが美しいと立派な

ものに見えるだろ?」

「ああ、そういうことか」


 宇宙人に教えてもらわなくても、地球人は、永遠の意味を知って

いるのだ。



 


 


永遠とは、ひとつの概念に過ぎないと…

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