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捨てられ勇者は這い上がる?  作者: スカイラビット
第二章~迷宮『フィアー』~
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第7話~激闘~

迷宮『フィアー』のボス

『キュクロプス』

との戦闘の続きです。

シルフィとエイミィの二人によって放たれた魔法を『キュクロプス』は躱そうともせず、真っ向から受け止めようと戦斧を突きだした。

「ガァッ!グウウゥゥ」

『キュクロプス』が壁まで押し流され壁にぶつかると同時に巨大な水飛沫が上がった。

「よし!これならいける!」

エイミィがガッツポーズをしたのも束の間、水飛沫が止んで大ダメージを負ったと思われる『キュクロプス』が姿を現した。


「なっ!?」

「どんだけ堅いんだよ!」


壁にぶつかって水飛沫が上がったと思っていた僕たちだったが、現実はそんな想像のように甘くはなかった。

「さっきの水飛沫は・・・」

「『キュクロプス』が受け切っただけなの・・・?」

確かに戦斧には所々ひび罅が入っているのに、『キュクロプス』自体にはまともな傷が、たったの一つ・・もないのだ。

「くっそぉ!そら。左右から攻めるぞ!」


 ー確かに、地味でも接近戦のほうがこちらに分があるようだし、そっちの方がいいか・・・


実際に『キュクロプス』に最も攻撃を与えたのは達也。

その次に攻撃しているのがそらだった。

「・・・いい「まって!後ろから私も攻める!」う、うん?」

確かに3人のほうが今は有利である。

さらに言えば、エルが攻撃力に劣るはずもない。

「わかった。タイミングを合わせていくよ。」

「おう!」

「任せて!」

僕たち3人は『キュクロプス』を取り囲むように駆け

「「「3・2・1」」」

タイミングを計りながら、攻撃する場所をそれぞれが定める。

その間、口に出した通り3秒。


「いまだ!!」


「『スネークバイト』!」

「『キリングベアー』!」


左前方からはエルが、

右前方からは達也が、

『キュクロプス』へ向かって襲い掛かった。

「ググゥゥゥ」

エルと達也の攻撃を受け止め、後ろへと押されそうになったところに、


「いっけえぇぇ!『ツインストライク』!!」


そらの一撃が背後から放たれた。

そらの放った『ツインストライク』は加速しながら相手に突進していく技である。つまり、距離を空ければ空ける程攻撃力が増していく特殊なスキルだ。

それを事前に伝えられていたエルと達也は、そらに、

「タイミングが俺たちより遅れて構わないから今出せる最大の威力で放て!」

と伝えていた。

そしてそらは、二人からの指示通りにこの部屋の端から『ツインストライク』を放った。


「ウグアァッ!」


そらの今放てる最大最強の一撃が容赦なく無防備な『キュクロプス』の脇腹を深く貫いた・・・・・

「これで一発!」

大きく『キュクロプス』がよろめき、戦斧を支える力が弱まった。


「うおおらあああ!!」


戦斧と打ち合っていた達也はそれを好機と見て、全力で両手剣を振り切った。

ガキンッ!

『キュクロプス』の戦斧が宙を舞った。


「ギュオオオ!?」


『キュクロプス』の太ももをたつやの両手剣が深く抉った。

傷を負った『キュクロプス』はバランスを保てずに大きく転倒した。


「私だってやれるんだから!『トライバーチカル』」


達也と違い武器の重さに負け弾き返されていたエルは、『キュクロプス』が転倒しきる前のほんのひと時の間に、『キュクロプス』へ向かって速度重視の3連撃スキル『トライバーチカル』を両足首と、達也が斬らなかったもう一方の太腿へ向かって放った。


「は、速すぎないか」


達也はエルの素早い攻撃に驚いていた。

確かに知らない人が見たらエルの攻撃に驚くのも無理はなかった。

なぜなら、今の三連撃は、ただの一振りにしか見えない程に早く、たとえ戦闘に長けた者でもぶれずに捉えることは非常に困難を極めるのだから。

むしろ驚くだけで済んでいる達也がおかしいのだ。


「グアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


そんな達也を感心してそらが見ていると『キュクロプス』が咆哮をあげた。

「まずい!また広範囲魔法がくる!」

「やらせない!」

次にまた範囲攻撃を喰らったら、まともな戦いを空たちがすることはできないだろう。


  このままでは確実に誰かが死ぬ。


唯一その事実に辿り着いたそらはただ一人、攻撃を止めようと『キュクロプス』へ向かって駆けた。

「やめろ!いったん下がれ!」

「でも止めないと!」

達也の声を振り切ったそらは、


「『ブロウ・オブ・リベリオン』!」


聞いたこともましてや見たことない唯一無二の新しいスキルを放った。

そらの放ったスキルを日本語にすると

『反逆の一撃』

その言葉通り、これから起こるであろう事態。

パーティーの壊滅。

それだけはさせまいと、未来に、運命に抗うかのような、火事場の馬鹿力ともいうべき怒涛の攻撃をそらは放ち続ける。

 ーもっと早く!もっと鋭く!もっと強く!

攻撃するほどに剣速も、精度も、一撃に込められる力もそれら全てが強化されていく。

30連撃目を放つと、そらは全力を出すために剣を後ろ下げるように構えながら力をため、


「これで!終わりだああああ!!!」


最後の2連撃を『キュクロプス』心臓部へ向かって槍のように、突き刺した。

そらと『キュクロプス』の動きが止まった。


『キュクロプス』が星が超新星爆発を起こした時のような輝きを放ちながら霧散した。


「これで・・・みんな・・・たすか・・・」


ドサッ


そらは気力を使い果たし、その場に倒れた。



戦闘シーンはこれで一旦終わる予定です。

はたして、これは迷宮攻略・・・なのか?

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