第1話~勇者・捨てられた!?~
うぅ・・・おなかが痛い。
なんか足が地面についてない、や?
っあ、そうだ気絶させられて運ばれてたのか。
「おっやっと目が覚めたか。」
「目が覚めたかじゃないですよ!」
「まぁ能力が低いんだ。役に立たないんだから捨てられて当然だろ。」
うっそんなに事実を淡々と言わないで、
・・・心にグサッとくるからー!
運びながらえっとレイオットだっけ?
まあ騎士さんが答えた。
しばらくすると揺れなくなった。
止まったらしい。
「元気に生きろよ。じゃあな。」
「えっ」
そんなやり取りもつかの間・重力が・・・消えた?いや正確には城壁から落とされた。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!?」
どさっ!!!
「いったああぁぁぁぁ!!!」
全身に痛みが走った。
どうやら死んだりはしていないらしい。
・・・けどとてつもなく痛い。
上を睨んだがすでに誰もいなかった。
っくそー。
異世界に連れてこられた挙句いらないからって
ポイッ
と、捨てるなよ。
表現通りに投げ捨てられたよ。
・・・城壁からさ!
念のためステータスを見てみた。
十三束 空
称号 捨てられ勇者
Lv 10
HP 60:100
MP 100:100
物理攻撃力 200
魔法攻撃力 200
物理防御力 50
魔法防御力 50
素早さ 200
スキル 『思考加速』
装備 制服上・下
銀貨 10枚
うわ体力の4割が落下で落ちた。
どうやって回復するんだろう。
ゲームみたいに何か食べれば回復するのかな?
せめて最低限生きるために必要な情報くらい教えてくれたってよかったじゃないか!
あんのくそ王様め!!
おっとそんなこと言ってる場合じゃなかった。
自分が今何ができるか試さないと・・・
えーとスキル以外はゲームとかに使われるものと同じに考えればいいのかな?
HPはヒットポイント
MPはマナポイント
物理攻撃力は殴ったりしたときの威力
魔法攻撃力は魔法を使った時の威力
物理防御力は殴られたりしたときの防御力
魔法防御力は魔法を食らった時の防御力
素早さは走ったときとかの速さかなあ?
次にスキルだ。
って言いたいところだけど、そのうち誰かに教えてもらうしかないか・・・?
銀貨はお金だな。
銀貨ってことは、上に金貨、下に銅貨があるとみていいのかな?
大体今は文字通りのことしかできなさそうだな。
自分についいて把握したら次はここはどこか?だな。
目の前に家が立ち並んでいるから、恐らく城下町なんだろうけど。
人が少ないのは門の前とかお店の前じゃないからと考えればよさそうだな。
よしっ
とりあえずは町を散策してみよう。
◇ ◇ ◇ ◇
「ここが商店街かあ~~日本とはずいぶん違うなあ~~」
昔の中世みたいな石造りの建物と石畳でできた街並みがずっと続いている。
結構活気がみなぎっているんだなぁ
「おいそこの変わった服装の兄ちゃんおいしいもんはいらないかい?」
っお、眺めてたらおじさんに声をかけられた。
「どんなものが売っているんですか?」
興味があったので聞いてみた。だって異世界だよ。知らない食べ物。料理がいっぱいあるんだ。興味がないわけがないじゃないか!
「今旬のキバアジの塩焼きがうまいぞー。一匹銅貨10枚だ。」
「あじゃあ一匹買います。銀貨からでいいですか?」
「いいぜ。おつりは銅貨90枚だ。ほれ、出来立てだぞー。」
とてもうまそうな魚だ。ただ牙があってちょっといかついかなぁ・・・
「ありがとうございます。」
というわけで、銀貨1枚で銅貨100まいと同等の価値があることが分かった。
「いっただっきまーす!」
パクっ・・・
?
あれ?
キバアジが消えた!!!
周りを見たらいかにもなチンピラが3人で奪って走って行った。
・・・うそでしょ。いきなり盗まれたー!
「ちょっと待てぇぇぇーーーぃぃぃいいい。そこの3人組ーーーー」
盗まれたらどうする?
決まってる。
走って!走って!!
全力で奪い返すんだぁー!!!
「うぉ!?なんか速いぞ。あのガキ」
「へーきだっつーの。こっちにゃ3人もいんだぜ。負けるわけがねーだろ。」
「へへ追いつかれたら金品奪いやせんか。」
「いーねーそれさっすがだぜ。兄貴。おかしらにぜってー喜ばれるぜ。」
なんか話していることダダ漏れなんですが・・・
あとやく5メートル。
警戒していかないと!
「っち追いつかれやしたぜ。アニキィ」
「へへっガキが。調子に乗ってんじゃねーぞ!」
「勝てるとでも思ってんのか!あぁん」
どこにでもいそう過ぎて困る・・・
どこでもチンピラはチンピラなのか。
「はぁ」
とりあえずスキルっていうのを使ってみようか。
「『思考加速』」
「なあぁにいぃおおぉいぃってえぇるうぅんどぅぅぉあ!」
周りがとても遅く見える!
これなら勝てるな。
「まずはそこのガリから」
腹に思いっきりパンチ!!
相手の攻撃がよーくわかるな。
「ううぅぅぐううぅぅぅ」
遅いと声もスローモーションになってはっきし言ってうざいな。
ささっとやらないとって、
くそっ!
兄貴って呼ばれたやつが真横からけりを・・・
「なーんてね。みえるんだっっよっ!」
「あがああぁぁぁ!?」
「ラストひとり!」
頭に思いっきり回し蹴り。
「ぐうぅはあぁっっ」
『解除』
っお!口にしなくてもできるのか!
新しいこと発見!!
「まだキバアジは無事だな。」
3人とも気絶したし回収っと
今度こそ。
はむっ
「おいしい!」
なんかさばさばしてるけどそこがまたイイ!!
・・・
「ぐはぁ!」
僕は背後からいきなり蹴られた。
どーも!1話さっそく登場です。
いきなり蹴られたのはなぜ?そして誰がやったのか。
勇者 空 はのんきにキバアジ食べていいの?
次回に期待