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捨てられ勇者は這い上がる?  作者: スカイラビット
第一章~勇者捨てられる?編~
11/25

第10話~盗賊団討伐!?~

「ねえ、あなたはなんて名前なの?」

シルフィアは猫耳少女に名前を聞いてみていた。

「わたし?私は・・・エル。エル フォーレスよ。」

「フォーレスですって!」

「な・なんだ!?いきなり。」

「セントリアのフォーレス家であっていますか?」

「え・えぇ。」

エルというらしい少女はコクンとうなずいた。

「な、なぁ?いったいどういうことなんだ?」

興奮したような表情でシルフィアは答えた。

「えーとですね。フォーレス家は、セントリア皇国騎士団国防隊の上層部を支える有力な家系なんですよ

。ついでに言えば、フォーレス家はセントリア皇国の獣族の中で最も偉い家系でもありますね。」

「え・・・?なんでそんな子がここに?」

僕は目の前の少女がそんなすごい家系の人だとは思ってもいなかった。

・・・だっていきなり襲い掛かって来たんだよ。格好も冒険者と大した違いはないし。

「それは・・・少し話が長くなるけどいい?」

「そのぐらい構わないよ。」

僕は即座に返した。

「えっとですね。数日程前の話になりますが、セントリア皇国第一皇女が何者かによって聖フィローネ王国に転移させられまして・・・」

なんか似たようなことがあったような・・・?

「それで、このままでは危険だというわけで、とりあえず数十人が極秘で聖フィローネ王国へいくことになったんだ。

私も数人とパーティを組んでこちらへコルクルに乗って飛んできていたんだけど、先ほど盗賊団に撃ち落とされまして。

私は何とか死なずに逃げていたところだったんです。」

「ほかの人たちは・・・?」

「あの人数だったし、たぶん殺されてしまったと思います。」

「それは大変だったね・・・」

とりあえずエルの事情は分かった。

後は・・・

「盗賊団の目的は?」

「たぶん私たちが空を飛んで移動していたから、結構な金品を持っている人たちだと思ったんだと思います。」

「そうか。」

「エルさん。セントリアは今どうなっていますか?」

シルフィアがセントリアの状況について尋ねた。

切羽詰まったような表情だ。

祖国だから心配なんだろうな。

「表向きには何もなかったことにしますが、他の皇族が狙われるかもしれないと結構緊迫しています。

そのせいで近衛騎士団の一部がセントリア城内を厳重に警戒しています。」

「そうですか・・・」

シルフィアが考え込んでいるのを見て、不思議に思ったのかエルが質問をした。

「どうしてただの冒険者が心配するんですか?」

その質問に対して


「それは・・・私が、セントリア皇国第一皇女にして第二皇位継承者

『シルフィア・ライズ・セントリアス』だから。

といえば納得していただけますか。」


重大発言をした!

「え!?うそだろ!?」

「はぃぃぃ!?」

僕とエルは口をあんぐりと開いた。

「うそではありません。本当のことです。」

至極真面目な顔でこう言い放った。

「どうしてそんなこと言い切れるの!」

エルはシルフィアを睨んだ。

「これを見れば信じてくれると思います。」

そういうと首からネックレスを取り、手に持つと


「セントリア皇国第一皇女が命じる。理を今一度読み解き、神聖なる国土の力を用いて彼の者たちに恵みの光を与えよ。『ディバインライト』」


すると僕は体が活発になったことを感じて自分を見た。

体が黄色い光に纏っていた。

「これは、確かにセントリア皇族のみが使える神聖魔法!」

エルがびっくりしていた。

「確かにあなたは第二皇女様のようですね。これまでの失礼な態度。申し訳ありませんでした。」

そういってエルは心臓のある部分に手を当てた。敬礼みたいなものをした。

「別に大丈夫ですよ。公の場ではないのですし、先ほどまでの接し方のほうがありがたいです。」

シルフィアが少し困惑したような表情で答えた。

「そっそうですか・・・」

「それに、こちらに飛ばせれてからというもの、そらくんのような変わった人と一緒にいたせいで敬語に慣れないのですよ。」

むっ!

「変わったとはなんだよ!もう!!」

「少なくとも普通ではないじゃないですか!だって異世界人でしょ。そらくんは!」

「そこは認めるけど人としては普通だってば!」

「普通な人が勇者なんてやるわけないじゃないですか!」

「いーや。やればできる。凡人が勇者やってんだぞ。」

「「むぅー!」」


「そこで争いしないでよ!っていうかあなた勇者なの!?」


エルがびっくりしたような表情で聞いてきた。

「改めましてどーも。勇者歴五日のセントリアの勇者こと、十三束とみつか そらです。」

とりあえず返しておいた「。

「こちらこそどーも。セントリア皇国騎士団防衛隊上級騎士こと、エル フォーレスよ。」

「棒読みですね・・・」


「じゃあそろそろセントリアへと・・・」

向かうか。

と言いかけようとしたが・・・

「どうしたんですか?いきなり焦ったような顔をして?」

「う・う・・うしろ・・・」

そういいながら奥へ向かって指をさす。

「後ろ?いいけど何も・・・」

「エルさんも!?何があるというのですか!」

そういって後ろを向いたシルフィアは


「きゃあああぁぁ!!!」


真後ろにいた盗賊を見るや、悲鳴を上げた。

「お頭!さっきのやつばらがいやしたぜ!」

「みんな!取り合えず現れたやつ斬りながら逃げるぞ!」

「お~!」

「は、はい!」

そういうと僕は双小剣を、エルは片手剣をそれぞれ

シャリーン

音を出して抜いた。

僕は右足で力強く地面を踏みこんで

「『ツインストライク』!!」

突進系スキルを放った。


「うおっ!」

「がはぁっ」


二人の心臓部を思いっきり突き、奥にあった木へ向かって突き飛ばした。

血を流しながら倒れた。


「さすがは勇者っていったところだね。わたしも行くよ!『アクセルリープ』」


一声と共に前方へ軽く跳躍すると、疾風の如き速さで3人くらいを貫いた!

一瞬で3人を戦闘不能にした。

「うおらぁ!」

木に隠れて斬りかかってきたのを左手で受け流していたら、右斜め前方からもう一人が襲い掛かってきた。

右手で剣を弾こうと構えたら、襲い掛かってきていた奴の背中をエルが切り刻んだ。


「んがぁっ!」


「サンキューな。」

「死なれたら面倒になるから・・・」

「そうですっかぁ!」


ガキン!


左手で受け止めえていた奴は結構な実力者のようだ。

受け流されたのを見て、一旦バックステップをするや、見失いそうになるくらい腰を落として・・・

「『ダックトス』」

突き上げてきた!

体を逸らして躱したが動きが一瞬遅れてしまった。

「死ねぇぇ!」

それを狙っていたかのように相手は突きを繰り出してきた。


キィィン


「くぅぅ。」

今度は剣を使って軌道を体からずらして回避し、勢いのまま突っ込んできた盗賊の背中を切り刻んだ。


「ふぅ。」


「とりあえずあとはエルのほうだな。」

こっちが1対1だったからだけど。

少し距離ができたけど


「エルさん。援護します!」

ん?

向こうは二人で戦っているようだ。


「シルフィア・ライズ・セントリアスが命じる。理を今一度読み解き、大地の力を用いて彼の者を弾丸の如き一撃で貫け!『ガンストーン』」


「なぁっ!」

「うぐ!」

「がぁ!」


一気に3人を仕留めていた。

死なない程度に抑えてはいるみたいだけど・・・

「結構容赦ないな~・・・」


異世界人恐るべし!


これじゃ僕は犯罪なんてできないね。

こんなことになんてなりたくないしねぇ~。


「ふぅ~、とりあえず倒し終わりました。」

シルフィアがそう言っていると、エルは意識のありそうな盗賊のところへ行き、


「ねぇ、盗賊さん。リーダーはどこ?」


可愛い子振って話しかけていた。

「誰が教える・・・」


ガキン!


「ヒィッ!教えやす。教えやすからどうか命だけは」

盗賊が拒否しようとした瞬間。

エルは近くにあった石を粉砕して脅していた。

怖い。

この人怖いよ!

「分かればいいのよ。分かれば。で今どこにいるの?」


「お・お頭はこ・ここから北方向にあるフィヨル町のそばにあるこ・小屋にいるぞ。」


青ざめた表情で答えた。

可哀そうに・・・

まぁ悪いのは本人だから自業自得ではあるんだけどねぇ~。

「よし。連れて行きなさい。」

「わ・わかった。と・とりあえず剣を首から離してくれぇ!」

「いいよ。ただし、少しでも犯行するそぶりを見せたら・・・斬るよ。」

「ヒ・ヒィィィ!」


「シルフィア様。すぐに行きますか?」

「え、ええ」

さすがにシルフィアもエルを見て引いている。

「行くにしても向こうはどのくらいの強さなのかとかもう少し聞いた方がいいんじゃないかな。」

エルにとりあえず言っておいた。

「だってよ。盗賊さん。教えてくれるよね。」

「ああ、お頭のLvは54で武器はナックルだ。魔法は使えないみたいだが、魔法使いを連れているから注意しな。おそらく4・5人しかいないだろうよ。」

やけくそ気味に盗賊さんは答えてくれた。

「それなら何とかなりそうかな~?」

「この戦力なら平気だと思いますよ。」

「じゃあ行こうか!盗賊団のアジトへ!」


    ◇    ◇    ◇    ◇


「ここが俺たちのアジトだ!」

「「「・・・」」」

ついてそうそう思った。

「分かりやすいな。」

「これを見たら誰でも犯罪者の住処だって答えられるよ。」

「明らかに怪しいですね。」

ここは悪い人がいると・・・


「それでは扉を破壊しますよ。」

「OKです。」

「了解」


「シルフィア・ライズ・セントリアスが命じる。理を今一度読み解き、刃の如き水で扉を切断せよ。『アクアスラッシュ』」


ザシュパ!


「盗賊団のボス!今ここであんたの首を斬らせてもらう!」

エルはそう答えると小屋の中へと入っていき・・・

「ふぇ!?」

素っ頓狂な声をあげた。


「エル!どうしたの!?」

「エルさん!どうしたんですか!?」

僕はシルフィアと一緒に中へと声をかけながら向かった。

「中にエルフが・・・」


「うそ・・・」

そこにはいかにもなボス一人とそいつを刺し殺している・・・・・・・耳の長いエルフの少女がいた。

「ははは・やっと・・倒した・・・」

乾いた笑い声を出していた。


「お頭が・・・」


盗賊さんは悲痛な顔をしていた。

エルフは僕たちを向くと、

「あなたたちもこの人たちに何か盗まれていたのですか?」

と、質問をしてきた。

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