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捨てられ勇者は這い上がる?  作者: スカイラビット
第一章~勇者捨てられる?編~
10/25

第9話~猫耳少女~

「えっと・・・その・・・そら?一応勇者だってこと言っていなかったの?」

エイミィが困惑した様子で僕に問いかけてきた。

「あのさぁ、僕は捨てられたんだよ。それに今の称号は・・・」

そう言いながらステータスを見る。


十三束とみつか そら

 称号 攻撃の勇者

    セントリアの勇者

 Lv 42

 HP 580/610

 MP 430/730

 物理攻撃力 840

 魔法攻撃力 840

 物理防御力 320

 魔法防御力 320

 素早さ 470

 装備  『夜空(双剣)』

     アクアスカーフ

     トレーニングウェア上・下

     ミスリルの鎧

     ブラックウィンドコート

     ファストブーツ

     Cランクマジックバック

 銀貨 34枚

 銅貨 20枚


「・・・」

あっれ?

目がおかしいかな。

勇者に戻っている?

「おーい。そら~?」

それになんでセントリアの勇者なんだ?

フィローネの勇者ではないのか?

「そら。応答ぐらいしろよ。」

う~ん・・・


「「おい!!」」


「うわ!?何?」

耳がジンジンする・・・いきなり大声を出された。

「だから空も、一応は勇者だろ。」

「あ~・・・うん。なんか勇者に戻った。」

「「戻った?」」

二人とも面食らったような表情をしていた。

「うん。捨てられた日から昨日までは勇者っていう文字は称号の一覧からなくなっていたんだけど・・・今見たら勇者の称号が戻った。しかも二つになったよ?」

そういうと達也が

「それならこっちも一つ追加されてるぞ。」

と、言ってきた。別におかしいことじゃぁないのか。

「私たちもフィローネの勇者ってでたよ。」

「も?僕はセントリアの勇者って出ているけど・・・」

・・・その場にいた4人みんなが口を閉ざした。


「どうしてそらくんは聖フィローネ王国で召喚されたのに私の国、セントリア皇国の勇者なんですか?」


沈黙を破ったのは、しばらく話を聞いているだけだったシルフィアだった。

「「さぁ?」」

達也とエイミィは、ちんぷんかんぷんとでもいいたそうな表情をしている。

そんな表情をされたところでこっちも困るだけなんだけど・・・

「う~ん・・・セントリア皇国では何か知りませんか?」

とりあえずシルフィアに返してみる。

「最近のことですと・・・」

考え込むようにして数十秒後

「あ!」

何かひらめいた表情をして

「1ヵ月ほど前にセントリア皇国でも勇者召喚を行ったのですが、なぜか勇者が現れず・・・。巫女が水晶を使って原因を調べようとしたところ『別の地にて召喚されたし』と・・・」

「「「それだ!!!」」」

僕たち3人はぴったりとハモッた。

「え?えぇ!?」

いきなりだったせいでシルフィアは困惑してしまったいる。

だが、そんなことお構いなしに達也は

「つまり、その『別の地』というのは聖フィローネ王国だったんだ。そして理由はわからないが俺たちと同じときに召喚されたと。」

一人で言って勝手に納得している。

まぁ少しは、僕が3人と違う理由が分かった。


まあ、確かに別の勇者だったのなら、同じようなステータス。

同じ初期Lvとは限らないのだから。

僕だけ弱かったことについては辻褄が合うな。

「どうしてセントリア皇国で召喚されなかったんだろう?」

「そ・それは・・・」

そういうとシルフィアは

「おそらく召喚術の強さだと思われます。」

「強さ?どういうことですか?」

勇者召喚にも種類があるというのか・・・

「召喚された人数でもわかると思いますが、聖フィローネ王国はセントリア皇国よりも強い召喚陣を使っていると思われます。そして、あまり時間に差のない時期。同じようにセントリア皇国も召喚を行った結果として、強い召喚陣のほうに、一度は召喚しようとした勇者が巻き込まれてしまったんだと思います。」

「つまり勇者は一度は召喚しようとしたが強い別の召喚陣の方に巻き込まれちゃったんだね。」

「どうしてセントリア皇国は弱い方を使ったんですか?」

確かにそれは疑問だ。問題もなければ強い方を使うだろう。

「それは、召喚に必要な代償です。」

代償が必要なのか・・・

「必要な代償?」

「はい。私たちの国では、『巫女の祈り』が召喚時に必要となるのですが・・・」

いきなり何かに怯えたような表情をしたかと思えば・・・

「・・・おそらく聖フィローネ王国では、『人間の生贄』が二・三百人差し出されたと思います。」

生贄だと!?


「「「・・・!?」」」


「どうしてそんなことを?」

「理由はわかりませんが、そうしなくてはならない理由があったのかもしれません。」

一つ間を開けて彼女は静かに言い放った。


「この世界ではそのあまりに酷なことだとして、ほとんどの国では禁忌とされているのですから。」


「今、何が起きているか。後で王にでも聞かないといけねぇな。」

達也はそう言った。

「王様はいまだにそらが召喚されたことにイラついているから、しばらくそらは王国から出たほうがいいよ。」

エイミィが助言をくれた。

それにしても

まだ・・、そんなこと思われているのか。

もうそんなことどうでもいいのに・・・

まぁ何かしてきたら王一人ぐらい殺しますけどね・・・

「大丈夫。セントリアへシルフィアを護衛することになっているから王国からは出るよ。」

「そっか。あとなんか目が怖いよ。そら・・・」


勇者についての話が終わると、エイミィはシルフィアを手招きして少し離れた。

・・・二人で何を話しているんだろう?


「なぁ?達也は何話しているか知ってる?」

「さぁな~。」

くそっ

達也のあの顔は知っている上で話さない顔だ。

「まぁ、そらに害がないのは確かだといってやっよ。」

付け足すように答えた。

「あと、王様が僕に直接何かしようとしたら王様だけでもぶち殺すからね。」

「ああ、王よりよほど善良で優しい王太子がいるから俺は構わないぞ。なんかいろいろ文句も言われているし。」

「そ・そうなの・・・」

なんか達也が怒ってる・・・


達也に怯えていたら

エイミィとシルフィアが話し終えてこっちに来た。

シルフィアが

「それではエイミィさん、また今度お会いしましょう。そらくん!」

「なに?」

「セントリアへ行きましょう。」

何かを決心したかのような雰囲気がある。

まぁ特に困ることもないしそれが本当の目的だしね。

「じゃあ達也。エイミィまた今度会ったらよろしくね。あと春奈にも僕は無事だって伝えておいてね。」

そういい終えると僕はシルフィアに向かって


「いざ!セントリア!!」


「はい!」


その声とともに

空とシルフィアはセントリアへ行くため。

達也とエイミィは城へ戻るため。

それぞれの行先へと別れた。


    ◇    ◇    ◇    ◇


~二人と別れてから、2時間後~


二人は必死に走っていた。

「あれは・なんなの・・でしょう・・?」

「やっと撒いたか?」

行きも切れ切れに二人ははなした。

「とりあえず一旦座ろう。」

「分かりました」

近くの座れそうな石に座った。

「とりあえず、一旦は逃げられたとは思うのですが。」

「そうだな。ただ、あの人数だとおそらく誰か数人には遭遇するもんな~。」

シルフィアに回復魔法をしてもらいながら、そらは現在の状況について考え込む。


    ◇    ◇    ◇    ◇


~1時間ほど前~

そらとシルフィアがセントリア方面へ向かって徒歩の旅をしていた時のことである。

シュッ!

頬のそばを何かが掠めた。

飛来してきたを向くと、人影がこっちに向かって走ってきていた。

「な!?なんだいきなり!?」

そういうが早いが『夜空』を手に取り人影の方を向いて戦闘できるように構えた。

「あんたもか!!」

そういいながら少女が斬りかかってきた。

ガキン!

「なっ!?女の子!」

どうやら影は僕と同じくらいの女の子のようだ。

・・・しかも、猫耳と尻尾の生えた青髪の少女だ。

こんな人間、僕は始めてみた。

彼女は弾き返されるやすぐにバックステップで距離をとる。

「シルフィア!少し下がってて!!」

「分かりました!」

シルフィアが下がったのを確認してから相手の武器を見る。

彼女が持っているのは片手剣だ。

「いける!」

余裕だと見込んで、スキルを使わずに構える。

だが、対人戦経験がないそらはあること・・・・を忘れていた。


「『ワンハンド・ホリゾンタル』」


それは、

スキル・・・のことである。

「なっ!」

キィン!

片手じゃあ抑えきれないか!?

「ちぃ!」

ガキン!

なんとか両手で防ぎきる。

「お返しだぁ!『サーキュラー』!!」

僕は相手の武器に向かって、最近覚えたばかりのスキルを放った。

キィン!


サクッ


剣が地面に刺さった。

「僕は戦う理由はない!」

とりあえず彼女に向かって叫んだ。

「そんな嘘が通じると思うかぁ!」

全く話も聞いてくれないのか・・・

くそっスペアをもっていたのか!


「『ワンハンド・バーチカル』」


バックステップを駆使して紙一重でかわす。

「はぁぁああ!」

少女の腹を思いっきり殴った。

「っかはぁ」

少女をとりあえず気絶させた。

「ふぅ・・・しかしこれはどういうことなんだ?」

シルフィアに尋ねながら自分も状況を把握しようとあたりを見渡しながら考え込んだ。

「切羽詰まったような様子でしたね・・・」

確かにただ事じゃない様子だった。

たしか少女は・・・

「おまえもか!」

とか言っていた気がする。

ということは・・・

「誰かに狙われていたのか!」

そう口に出していたら・・・

・・・ガサガサ


「へっへっへ。そこのガキ!その少女とべっぴんさんを手渡せ!」


案の定盗賊が現れた。

悪いことに数十人単位で。

「くそっ!やれるものならやってみろ!!」

そう口にしたらシルフィアが

「そらくん!のんきに挑発なんてしないでください!!」

思いっきりにらまれた。

「もう!『アル・ハイド』」


「なっ消えやがった!」

「消えてはいねぇよ!魔法だ。まだすぐ近くにいるはずだ。お前ら!!あぶりだせ!」

「しゃあ!やりがいがあるぜ。魔法使いったぁな」

「どうやって殺しやす?」

「決まってんだろ。拷問をかけてゆっくりいたぶるんだよ!」

「あれ見てて爽快だわぁ」


「どうする?このままじゃみつかるよ!」

「とりあえず走って逃げましょう。」


僕たちは猫耳少女を抱えて逃げられるだけ逃げた。


二人は必死に走っていた。

「あれは・なんなの・・でしょう・・?」

「やっと撒いたか?」

息も切れ切れに二人は話した。

「とりあえず一旦座ろう。」

「分かりました」

近くの座れそうな石に座った。

「とりあえず、一旦は逃げられたとは思うのですが。」

「そうだな。ただ、あの人数だとおそらく誰か数人には遭遇するもんな~。」

シルフィアに回復魔法をしてもらいながら、そらは現在の状況について考え込む。

「とりあえずこの猫耳少女が起きればいいんだけど・・・」

「気絶させただけなんですよね。」

「あ・・・うん。そうだよ。」

「それなら回復魔法で起きると思いますよ。」

そういうと彼女は


「『ヒール』」


しかし変化が起きない・・・

「えーっと今は純粋に寝ているみたいですね。」

「はぁ~」

早く起きないかなぁ。

そうだ!

いいこと考えた。

僕は猫耳少女の耳元へと近づいて


「盗賊だああぁぁぁ!!」


耳元で思いっきり叫んだ。

案の定猫耳少女は

「っどこだ!」

思いっきり跳ね起きた。


「目が覚めたかな?」


「さっきの盗賊!今度こそ!!」

そういって剣を取ろうと鞘に手を置くけど・・・

「ごめんね。死にたくないから一旦あずからせてもらったよ。」

「卑怯者!わ・私をどうするつもり!」

やばい涙目だ。

「いや、どうして君があの盗賊に追われているか聞きたいだけだよ。」

「うそつき!そういって・・・殺しちゃうんでしょ!!うぅ・・・」

あぁ・・・泣かれちゃった・・・


「そらくん・・・何やっているんですか・・・」


笑顔なのに・・・目が笑っていない。

すご~く怖いよ。

「別に悪気があったわけじゃぁ・・・ひぃ!ご・ごめんなさい。」

しゅん。

なんでこうなるのさ・・・

ひどいよ。


こうして

泣く少女とそれを慰める少女。

そしていじける少年という変な構図ができてしまった。

第9話はいかがでしたか?


現在、この世界の武器やスキルについて思案中です。

良かったら感想で意見をお願いいたします。

採用するかもしれません。

ご応募ご期待しております。

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