プロローグ~勇者召喚~
プロローグ ~勇者召喚~
~○○第四中学校2年B組~
いつもどうり、学校の昼休みに僕たち4人は楽しく話していた。
昨晩のお笑い番組で○○のがつまらなっかっただの。
朝学校で誰かが提出物を忘れて散々先生に説教を言われていたのが面白かっただの。
なんてことはない話をしていたんだ。
「空。帰ったら家でファンタジー○○やろうぜ」
ゲームの話題を出したのは、一之瀬 達也だ。
結構なイケメンで女子からも人気があるそうだけど、まだ本人はそこまで興味がなさそうだ。
「いいよー。みんなでなんかクエストやろうよ」
僕、十三束 空は、部活と塾で2・3日やれていなかった分、やる気満々だった。
「もちろんわたしも参加するよー」
元気そうなのは中条 英美だ。
天真爛漫でクラスのムードメーカーだ。
「エイミがやるならわたしもやりますね。」
つられて反応したのは久世 春奈。
優しく真面目な性格だ。
「じゃあ7時に祭壇集合な。」
「分かった」「OK!」「了解です」
その時、僕たちの目の前の机に剣が突き刺さったかと思えば、いきなり光だした。そこで僕は意識が途切れた。
~聖フィローネ王国・王宮~
目が覚めると目の前は見たこともない場所だった。
まるでファンタジー世界の王宮のようだと思った。
「こ、ここはいったい・・・」
「なんなんだよこれは!」「すごーい!なにここ?」「うそ・・・なにこれ・・?」
全員この状況を理解できてはいなかった。
目の前で椅子から、いや王座といえばいいのかな、どう見てもファンタジーの王様のような恰好をした2・30代の男の人が立ち上がり、
「よくぞ参られた。勇者たちよ」
「おい!ここはどこなんだよ!!」
達也はすでに怒っているみたいだ。
まあ状況が状況だし分からなくもない。
僕だって混乱し過ぎて冷静になったんだろうな、っていうありさまなんだから。
「まあ落着け。話を聞いてからでよいではないか。」
はいその通りですけど、その通りですけど!
「いったいここはどこなんですか!何が起こったんですか!!!」
ぼくはとりあえず率直に聞いてみた。
「とりあえず名前を教えてくれぬか?われは聖フィローネ王国 32代王アスラである。」
「えーと十三束 空。14歳です。」
「一之瀬 達也。年齢は同じだ。」
「中条 英美です。」
「久世 春奈です。」
なんか一瞬の沈黙が起こった。
「・・・ここはそなたたちから見れば異世界といえばいいだろうか、この世界の民は、ワールド・エデンと呼んでいる。そなたたちはこの世界に勇者として召喚さしてもらった。」
ありがちな話だけどいまいち信用できない。
・・・第一それは本やアニメの話でしょう?
「信用してないようだな、ところでそなたらの世界に『魔法』と呼ばれるものはあるか?」
「そんなものあるわけがないでしょう。」
答えたのは、春奈だ。
「なら魔法を見せれば信じざるを得まい。それ『アクア・ボール』」
そう王は言うと、いきなり水の球ができた。
「え・・・うそ、すごーい!」「なんだよこれ」「すごいな」「信じられません」
信じざるを得なかった。
だって、僕たちの世界じゃありえないもん!
「信じてくれたようだな。それでは今の状況、勇者召喚を行ったわけを言おう。」
要約すると、
・この世界には、人間などの種族と魔族が常に戦争をしている。
・1000年前、邪神が現れ魔族を率いて人族を滅ぼそうと攻めてきた。
・対抗ができず焦った結果、異世界から勇者召喚を行った。おかげで封印に成功した。
・しかし1年前、封印が解け邪神が目覚めた。
・このままでは危ないと考え再び勇者召喚を行った。
ということだそうだ。
「元の世界には帰れるのですか?」
春奈が重要なことを聞いた。
「分からぬ。少なくとも先代勇者はかえらなかったからのう、前例が無いのだ。」
「そ、そんな。」「嘘だろ」
どうやら戻れない可能性が高そうだ。ふざけるな!
「まあいいステータスを見てくれないか?」
「へ?そんなのがあるんですか?」
「ああ、視界の左上にアイコンが見えぬか?」
「あ、あった。」
「えーと
十三束 空
称号 駆け出し勇者
Lv 10
HP 100:100
MP 100:100
物理攻撃力 200
魔法攻撃力 200
物理防御力 50
魔法防御力 50
素早さ 200
スキル 『思考加速』
装備 制服上・下
だそうだ。」
みんなはどうだろうか?
「みんなは?」
「え・・空低くない?私Lv50だよ。それに称号は初級遊撃の勇者。」
何だと40Lvも差があるなんて
「あ・俺も50だ。それと初級万能の勇者。」
まさか春奈も、
「私も50みたい。えーと初級支援の勇者。」
ぼくだけだと・・・
「え・・なんで僕だけLvが低いんだ?それになんで駆け出し・・・」
「なるほど一人だけLvが圧倒的に低いか。そのlvじゃ何もできないだろうし、金をやるから好きに出ていくがよい。」
いきなり無慈悲な宣告してきた!ひどくない!!捨てられたも同然じゃん!
「そ、そんな。」
「それはひどいじゃないか。」
「そうだよ。っ勝手に呼び出しておきながら。空がかわいそうだよ。」
「そうです。理不尽だと思います。」
み、みんな
「じゃあそなたらは、一人だけ圧倒的に弱くて援護されるだけのやつをずっと守れるのか。」
「うっそっそれは」
「無理だな。まだ来てばかりじゃぞ。おぬしらまで死にたいか?」
正論といえばそうかもしれない、でもいきなり追い出すのはひどいじゃないか!
「だけど!」
「もうよい。さらばだ空よ。レイオット。こやつを城から町へだせい!」
「は!」
レイオットと呼ばれた騎士は僕に近づいてくると
「っぐはぁ」
僕は気絶させられた。