第7話:脱出!蒼き閃光の彼方へ
「父さん、しっかりしてくれ……今、連れ出す!」
豊はザボーガーのリアシートに、昏睡状態の父を固定した。だが、島全体が自爆シーケンスに入り、足元のアスファルトが次々と崩落していく。
「逃がさんと言ったはずだ、豊ッ!!」
背後から放たれる秋月のメガキャノン。爆風がザボーガーのすぐ真後ろで炸裂し、熱波が豊の「亡霊の身体」を激しく揺さぶる。
「ザボーガー、全開だ(フルスロットル)! 【マウスカー】、【シーシャーク】、先行して脱出路を確保しろ!」
分離したドローンたちが、崩れ落ちる天井や迫り来る警備ロボットを次々と粉砕し、一本の道を作る。
豊は父を守るため、自分を盾にするようにして加速した。
「時速300km/h……いや、もっとだ! 親父さんを死なせるわけにはいかないんだよ!!」
その時、前方のゲートが完全に閉鎖された。
厚さ1mの強化合金。激突すれば、父も豊も粉々になる。
「……やるしかない! ザボーガー、変形! ドリル・アタック形態!」
ザボーガーの前輪が左右に割れ、高速回転する電磁ドリルへと変貌。豊の「怒りの電流」を先端に集中させる。
「ぶち抜けぇぇぇーーーッ!!」
火花を散らし、ゲートを紙細工のように貫通して屋外へ。眼下に広がるのは、夜の海へと続く長い連絡橋だった。
だが、執念の秋月が黒いバイクで並走してくる。
「これで最後だ、豊! お前も親父も、ここで海の藻屑になれ!」
秋月のマシンが、ザボーガーに決死の体当たりを仕掛けてきた。
衝突の瞬間、豊は見た。
秋月のヘルメットの奥、機械の光に塗りつぶされていたはずの瞳から、一筋の涙が流れるのを。
「秋月……お前、本当は……!」
大爆発と共に、連絡橋が崩落。
ザボーガーは父を乗せたまま、夜の海へとダイブした――。




