第6話:目醒める魂、怒りの最終兵器(ラスト・リゾート)
「逃がさねぇぞ、豊。お前の魂、ここで俺がブチ抜いてやる!」
秋月の腕に換装された**【Σメガキャノン】**が、冷酷な光をチャージし始める。
意識をドローン(ヘリキャット)に移している豊には、抵抗する術がない。このまま撃たれれば、ドローンと共に彼の意識は電子の塵と化す。
「やめろ……秋月……ッ!」
その時。カプセルの中で眠っていた父、大門博士の指先が微かに動いた。
モニターの波形が激しく乱れ、要塞全体のシステムが激しくスパークする。
『……豊……聞こえるか……。お前の怒りを、ザボーガーに……私を導け……!』
父の意識が、装置を介して直接豊の魂にリンクした。
瞬間、要塞の外に放置されていたザボーガーのエンジンが、誰もいないのに爆音を上げた!
「何っ!? バイクが勝手に動き出しただと!?」
驚愕する悪之宮。
ザボーガーは無人のまま隔壁をブチ破り、豊の意識が宿る研究室へと突っ込んできた。
ドローンから本体へ。豊の意識が強引に引き戻される。
「うぉぉぉぉぉーーーッ!!」
再びバイクと一つになった豊。だが、今回は違う。
父の残留思念がガイドとなり、ザボーガーのブラックボックス――封印されていた最深部回路が開放されたのだ。
「豊、これが……私が最後に遺した、平和への祈りだ……。全武装・同時展開!!」
父の声に呼応し、ザボーガーがかつてない変形を遂げる。
胸部装甲が大きく左右にスライドし、内部から巨大なクリスタル・コアが露出した。
「喰らえ……! これが俺と父さんの、怒りのエネルギーだ!! 速射破壊銃・バーストストリーム!!」
ドォォォォォンッ!!
放たれたのは、これまでの光弾を遥かに凌駕する、極太の蒼い熱線。
秋月の放ったキャノン砲のエネルギーを正面から飲み込み、研究室を真っ白な光が包み込む!
「馬鹿な……! 大門のデータが、これほどの出力を……!?」
悪之宮の叫びも虚しく、ネオΣの最深部は爆炎に包まれた。
煙が晴れた時。
豊は再び「転身」を解除し、バイクに凭れかかっていた。
目の前のカプセルは破壊され、そこには衰弱した父の姿がある。
「父さん……! 父さん!」
透ける手で必死に父を抱きかかえようとする豊。だが、やはりその身体は父を通り抜けてしまう。
「いいんだ、豊……。お前の声は届いている。……だが、秋月くんを……彼を救えるのは、お前だけだ……」
父はそれだけを言い残し、再び深い眠り(休止状態)に入った。
そして瓦礫の中から、傷だらけの秋月が、より一層深い「憎悪」を瞳に宿して立ち上がる。
「……親子の再会は済んだか。なら、次は本当の地獄へ連れて行ってやるよ、豊」




