第4話:三撃の電脳(サイバー)ドローン
「囲め! 亡霊ごと、そのガレージを消し去れ!」
ネオΣの暗殺部隊が、一斉にサブマシンガンの銃口を向ける。
絶体絶命。だが、バイクに跨った豊の視界には、今まで見えなかった「情報の奔流」が流れ込んでいた。
松江がアップデートしたザボーガーのOSが、豊の脳波と限界を超えてリンクしたのだ。
「……見えている。奴らの配置、弾道、そして――弱点!」
豊が叫ぶ。
「ザボーガー、戦術機射出!!」
ガシャン! という音と共に、ザボーガーの車体から三つのパーツが弾け飛んだ。
【ヘリキャット】:フロントフォークから分離したクアッドドローンが、凄まじい風圧で上昇。空中から敵の死角を突いてレーザーを放つ。
【マウスカー】:アンダーカウルから飛び出した小型バギーが、地を這う速度で敵の足元を攪乱。強力な電磁パルス(EMP)を放ち、サイボーグ兵士たちの制御系を麻痺させる。
【シーシャーク】:マフラーの一部が変形。ドックの床を走る排水溝へと潜り込み、敵の背後から跳ね上がる。
「なっ、なんだこのチビ共は……! ぐわぁぁっ!」
暗殺部隊は、全方位からの波状攻撃に大混乱に陥る。
豊はこの好機を逃さない。
「転身――ッ!!」
一瞬で電人へと姿を変えたザボーガーが、ドローンたちと連動して動く。
ヘリキャットが上空から敵を誘導し、マウスカーが逃げ道を塞ぐ。そこへ、豊の重厚な拳が叩き込まれる。
「これで、チェックメイトだ……! 三機合一!」
三つのドローンが敵のリーダーを取り囲み、三角形の電磁バリヤーを展開して動きを封印。
そこへ豊が突き出した右腕から、**【チェーンパンチ】**が放たれる! 蒼い電磁の鎖が敵を絡め取り、そのままドックの壁へと叩きつけた。
「……ハァ、ハァ……」
敵部隊を制圧した豊だったが、そのバイザー越しに見える景色が激しく歪み始める。
「シンクロ率……限界値を超えています。魂の崩壊危険性……」と警告音が鳴り響く。
「豊! 止めろ、これ以上の戦闘は本当にお前の存在を消してしまうぞ!」
松江の悲痛な叫び。
しかし、豊の視線はドックのモニターに向けられていた。
そこには、ネオΣの軍事施設へと運び込まれる、ある「巨大な装置」が映し出されていた。
「松江さん……あれはなんだ?」
「……あれは……『魂の抽出装置』。あの中に、お前の父、大門博士の意識データが封印されている可能性がある……」
「父さんが、生きている……?」
豊の胸に、新たな光が宿る。
だが、その前に立ちふさがるのは、漆黒のバイクに跨り、赤い瞳を光らせる秋月の影だった。




