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第2話:虚飾の魔導、哀しき鉄騎士

スチームパンクの空に、黒い煙を吐き出す異形の騎士が立ち塞がります。それはかつての相棒の姿を借りた「絶望」でした。


 「あれは……ザボーガーなのか?」

 豊は目の前の光景に、戦士ZEROのバイザー越しに息を呑んだ。

 グラビティ・コアの魔導研究所から現れたのは、巨大な蒸気タンクを背負い、全身を真鍮ブラスの装甲で固めた巨体。かつてのザボーガーの面影を残しながらも、その内部からは機械の軋み音ではなく、苦しげな「魔力の唸り」が聞こえてくる。

【魔導兵器:ザボーガー・スチーム】

「フハハハ! 驚いたか、次元の異邦人よ。それはこの世界の大門博士が残した、魂なき残骸に魔導の命を吹き込んだものだ!」

 首領の声が街に響く。

 ザボーガー・スチームが右腕を振り上げると、内蔵された圧力釜が爆発的に加熱され、超高圧の蒸気と共に鉄拳が撃ち出された。

「……ッ、速い!」

 豊は0.01ミリ秒の反応速度で回避するが、背後の廃ビルが衝撃波だけで粉々に粉砕される。

「豊さん、気をつけて! あのマシンの心臓には、攫われた人たちの魔力が結晶として閉じ込められているの!」

 リリィの叫び。

 豊は拳を握りしめる。

「……道具を、家族を、エサ代わりに使いやがって……。その傲慢、俺がブチ抜く!」

【ZERO vs スチーム:超科学と魔導の衝突】

 ZEROが空を駆ける。物理法則を無視した慣性制御で、スチームの重厚な一撃を次々と空振らせる。

 だが、スチームは全身のバルブを開放し、周囲一帯に熱を奪う「絶対零度の蒸気」を撒き散らした。

「計算外だ……魔導エネルギーで、ZEROのナノマシンが凍結し始めてる……!?」

 システムの警告音が鳴り響く。動きが鈍ったZEROに、スチームの巨大なドリルが迫る。

 その時、豊の脳裏に、かつて次元の狭間で融合した「デルタ」の記憶がフラッシュバックした。

 異世界のエネルギーを、拒絶するのではなく、自分のものとして取り込む――。

「リリィ! 君の魔力を、俺のZEROへ流し込んでくれ!」

「えっ……でも、私の力は……」

「大丈夫だ、信じろ! この世界のザボーガーを救えるのは、この世界の君の力なんだ!」

 リリィが震える手でZEROの装甲に触れる。

 瞬間、純粋な魔力がZEROのコアへと流れ込み、超科学の回路と融合。白銀の装甲に、魔法陣のような幾何学模様が浮かび上がる。

「デルタ・シフト――魔導展開エーテル・バースト!!」

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