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私は「万が一の救済者だ」と神様に言われていました。  作者: 杜槻 二花/三稜


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私は、聖騎士の初恋の幼馴染、の妹です。

「彼と……ライナスと別れてください!」

 …………はて、なんのことかな?

 私は、眼の前で両手を胸の前で組んで、目を潤々とさせながら上目遣いにこちらを見ている、見た目楚々とした聖女の美しい顔を見ながら首を傾げた。


*****


 聖女降臨があったのは三年前。それと同時に魔王が復活。

 そして幼馴染のライナスが、勇者チームの聖騎士として選抜されたのが、ほぼ同時期。

 成る程これが神の言っていた『世界の危機』か、と当時の私は内心で呟いていた。


 実は私には、この世界に生まれる際、神と会話した記憶がある。

 『世界に危機が訪れる。勇者を選定し、聖女を召喚するが、其方には万が一の救済者を担って貰いたい』、と神に言われた記憶がある。

 そう、私には異世界で暮らした前世の記憶があり、その上神からの神託を受けた転生者なのだ。

 尚、転生前は二十一世紀の日本で暮らしていた。うん、そうなんだ。よくあるアレだ。


 しかしである。

 “万が一の救済者”とはなんぞや、と私は思うのだ。

 万が一の時が来なければ、これから始まるらしい勇者物語に全く関係がないということだろうか。それともたまに出てきて道案内でもする通行人A程度には関わるのだろうか。それとも多少は何かしら物語に絡む、サポートキャラにでもなるのだろうか。

 そんなことを、勇者選定と聖女降臨の託宣が神殿で同時に起こるその時まで、私はずっと不思議に思っていたのだ。

 

 なので幼馴染のライナスが聖騎士に任命された時は、成る程私は多少物語に関わる人物らしい、と考えた。

 私たちは王都に住んでいるので第一村人とはならないが、役どころとしては我が家が商家なので、商人Aの娘として物資の流通などに関わるのかもしれない。

 又は……あれだろうか。関係者の幼馴染なので、『冒険物RPGに出てくる当て馬幼馴染負けヒロイン』と言う立ち位置。

 いや、しかしこういう当て馬ヒロインは、『託宣を受けた勇者』に付随する生き物だ。神の託宣を受けた勇者の村に住む幼馴染。初恋の彼を思って「無事に村に帰ってくるのを待っているね」と言ったのにも関わらず、村に戻らず聖女と婚姻を結ぶ勇者に儚く涙する……そんな生き物だ。

 しかし残念ながら私は、そんな殊勝(しゅしょう)なタイプではない。もしそんなことに巻き込まれたらそもそも待たない。更に言うと、ライナスは勇者チームの聖騎士であって勇者本人ではない。しかも私は彼の恋人でもなければ初恋の人でもない。

 ライナスの初恋の人は、私の姉(既婚)であるし、選抜直前の恋人(破局済)は、王宮女官のマーサ(婚約者有)である。


 ちなみにマーサは仕事でたまに顔を合わせる程度の知人なのであるが、勇者チームの選抜直後に顔を合わせた時、「あのヘタレに魔王討伐とか大丈夫なの?ちょっと心配なんだけど。でもまあもう関係ないからな〜」と言いつつ、政略結婚相手と存外仲良く結婚式の準備に取り掛かっていた。現在既に一児の母でもある。


 結局のところ、ライナスの甘酸っぱい想い出(はつこい)でもなければ旅立つ際の心残り(こいびと)でもない私は、やはり商人Aの娘が妥当といったところだろう。

 どちらにせよ、勇者チームの聖騎士、の初恋の幼馴染、の妹では、直接物語に関わる理由がない。

 神様には「万が一」と言われているのだ。緊急事態が起こらなければ、私はきっと物語終了まで完全モブかせいぜい物流サポートキャラとして過ごすのだろうな、と思った。


 それがどういうことだろう。

 魔王討伐も終えた物語も終盤というところで、聖女(ヒロイン)から謎の言いがかりをつけられているのだが。

お読みくださいましてありがとうございます。

次回に続きます。

ーーー

感想欄は作者のまぬけな理由(活動報告にあります)で閉じておりますが、★評価やリアクションで反応いただけますと大変嬉しく思います。

また、他作品もUPしていますので、お暇な時にでもお読みいただければ嬉しいです。

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