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ワタシノコエ

自分に心が戻ったことを悟ったアイナ。


アイナがとった行動は・・・


「01号、これよりイタリエルの貧民街スラムに残った残党を始末せよ」


「・・・」


「どうした?」


「いえ、なんでもありません」


ズキンッ・・・


再び襲った胸の痛み。

心が悲鳴を上げているのが分かる。


これは・・・悲しんでいるのか?それとも・・・


初めて、記憶を取り戻したいと思った。

この心の叫びは、きっと人間だった頃の私自身の記憶が起こした物。


でも・・・何故心が現れた?


知りたいことがたくさん有りすぎる。

アイナは初めて、自分が無知だと悟った。

この国のこと、世界のこと、人造人間のこと、それ以上に・・・


自分が1番分からない。


誰よりも、何よりも、自分を1番知りたい。



そうして歩いている間に、貧民街に着いた。

残党を捜すことなど、容易いこと。


頭がぐるぐるしてきた。

さっきまで考えていたことが、頭の中を回っている。

早く帰らないと自分が壊れそうだ。


ガタタンッ・・・


「!!」


・・・いた。


さっきアイナが投げた手榴弾で火傷を負ったと思われる。

貧民街スラムの住民たちは何処かへ逃げて、いない。

関係のない命を奪わずにすむ。

倒れ込んでいる男は、ほとんど身動きも出来ないようだ。

それどころか声も・・・


「・・・」


スッ・・・と槍を振り上げた。


「ごめんなさい」



槍を振り下ろそうとした時、アイナの手は止まった。

誰かに止められたのではない。

自分に、自分の中の誰か・・に止められたのだ。


その瞬間、頭に激痛が走る。


「・・・っ!?」


何かが・・・流れ込んでくる。



『ドウシテコロスノ?』


「!?」


『コンナノ チガウデショ?』


『アナタハ コンナコト ノゾンデイナイ』


『アナタガ ユメミタセカイハ』


センソウノナイセカイ・・・・・・・・・・



「やめて!!」


そこで声は途切れた。


どこかで聞いたことのある声だった。

そうだ。

私が知らないはずがない。

だってあの声は・・・





信じたくはなかった。


私の声だった。




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