表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白蓮の結晶  作者: 紫雨
8/16

第7話「オリエンテーション」

ちょっと一息。説明回です。

「ここが第一会議室だ。まぁ会議するわけじゃないんだけどな。」


そう言われて連れてこられたが、もうすでに多くの人が集まってきている。


「まぁ空いてるとこに座ってな。」


そういうと銀ノ瀬さんは前の方に行ってしまった。


「新入隊員オリエンテーション」と書かれたものが前方のステージに掲げられている。


「えー、事務の田中です。本日はお集まりいただきありがとうございます。まずは、皆様、入隊おめでとうございます。新時代の先駆者となる皆さんの個性やアイディアは、桜花組の未来にとって欠かすことのできない重要な……なんだっけ。まぁ、せいぜい頑張ってください。」


眼鏡をかけた30後半くらいのダンディーな男が立ち上がって話している。でもなんか話し方がテキトーだ。なんというか覇気がない。


「この船に乗った皆様は、今日から桜花組C番隊の一員です。勿論危険な仕事も多いですが、ちゃんとケガしたら労災はおりますので安心してください。……えーっと、何て書いてあるんだコレ、あぁ。幹部からの言葉です。」


「C番隊幹部の銀ノ瀬凱斗です。よろしく。」


「C番隊副幹部の霊黒衣です……よろしくお願いします……。」


……ほんとにあのお化け存在したんだ。


「えーっと、我が組は桜咲組長率いる、んーっと、由緒正しい組であり、秩序正しい平和な世界の実現のためにあら……あらゆ……あr……なんかいろいろする組です。」


腑抜けた喋り方のせいで入ってこないし話の内容もいまいち分からない……。


「桜花組は7つの組に分けられており、その中でもE……じゃないC番隊は、唯一の移動する拠点を持っていて、常に最前線で、えー、働いてもらいます。」


田中という男はおそらく台本がかかれているであろう紙を眼鏡をずらして至近距離に近づけながら話している。なんでそれでこんなにもテキトーになるんだよっ!


「えー、桜花組が現在の形になるまでの軽い歴史を振り返……りたいのですが、字が汚すぎて読めないので私の覚えている限りで話します。」


自分で書いたんじゃないのそれ?自分でも読めない字って相当では?


「昔々あるところに先代の桜咲さんがいました。」


何でおとぎ話みたいな始まりなんだよ……。


「先代は、異光石に触れてから、殺した相手の能力を奪うというとんでもない能力を手に入れました。そうして、各地で暴れまわっていた石と相容れなかったもの、すなわち狂者を殺して回って力を強めていました。その過程でうっかり杯のトップを殺しちゃったり、うっかり碧風組(アオカゼグミ)の先代を殺しちゃったりしました。」


うっかりで殺しちゃったりするって何?


「その結果桜花組と杯、碧風組との軋轢が生まれてしまって、ちょっと争ってるわけなんですがね。そのうっかりのあと、先代が狂者を取り込みすぎて、自分まで狂っちゃったわけです。もうすんごい強くて、息子である今の桜咲さんと、その時代で最強の5人と言われていた五獣人(ごじゅうびと)が手を組んでやっとのことで倒しました。そこで、今の桜咲さんが、こんなこともっかいおきたらヤバいよねーってことで、行き過ぎた能力を持つ人を食い止めるためにこの組を作ったわけです。」


そんな軽いノリで立ち上げたんだろうか……?


「てなわけで、平和な世界目指して頑張ろうねーってことです。」


「一同解散!各自指定された勤務場所に顔見せに行くように!」


……どこ行けばいいんだろう。この流れ前もあったような気がする。





「…………あ~もうこっちは新人入ってきて事務の仕事が大忙しだってのに何でわざわざこんなとこまで来ないといけないわけ?銀ノ瀬君がやってよ。時間ないんだからぁ。」


「残念ながら俺も同じなんですよ……田中さん……。」


「うわっ、銀ノ瀬君クマすごいね……。」


「やっぱA隊に戻してくださいよ。部下の管理とか向いてませんよ。」


「……そうかい?多分一番の適任だと思うけど。だって君の部下の噂本部(こっち)まで流れてくるよ。」


「だって俺資料読んだり書いたりするのあんまり得意じゃないから。」


「いつも資料見させてもらってるけど一番出来はいいよ。なんか定期的に莫大な請求書が飛んでくるけどね……。血みどろになって暴れまわってた頃より幾分かマシだと思うがね。」


「そういう田中さんだって30超えるまでは派手にやってたじゃないですか。俺まだ25ですよ。」


「そんな時期もあったけなぁ。」


煙草を咥えながら、田中という男は何処か遠くを見つめていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ