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第2話「交わり」
本能が、この石に触れることを拒否している。
でも、この澄んだような澱んだような未知の物体から目を離すことができない。
手を伸ばそうとしても、震えてしまって届かない。
完全に魅入ってしまった。妖艶でそれでいて鋭利な様相をしたこの石に。
そんな時だった
ドンッ
背中に鈍い痛みが走る。……蹴られた?
そうして、その石に触れてしまった。
その刹那、全身に今まで感じたことのない痛みが駆け巡る。
……隕石でも降ってきたかと思った
「がああああああああああああああああああああああああああああ」
脳が痛みを感じる前から僕は悲鳴を上げていて、痛みが神経を伝って脳に渡った時、何も考えることはできなかった。骨の髄にまで溶岩が染み入ってくるような、稲妻が走ってくるような気がした。
体に力が入らない。いつまで続くんだ。こんなところで死にたくなんてない。
「あ……あぁ…………ぁ…」
次第に頭がボーっとしてきて、ヒューヒューという自分の呼吸音しか聞こえなくなった。
「こいつもダメか……。」
立ち去っていく人影が見えたような気がした。