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第0話「レイ」
名もない橋の下にいた。
「少年、名を何という。」
横を見れば金髪の青年が隣に座っていた。
「……レイ。きっと僕はレイだ。」
おぼろげな記憶の中で、無意識に口が開いた。
「レイか…………。きっと会えると思ってたよ。」
誰かは知らないが、隣にいると少し安心できるような気がした。
川のせせらぎが心地よい。
ウグイスが鳴いている。もう、春か。 桜の花びらが飛んできた。淡い薄桃色だ。
「どうだい、籠の外は」
何のことだろう。でも何だか、
「あったかい。」
涙が溢れてきた。
「そうかも…しれないな。強く生きろよ、少年。いや、レイ。」
彼が寂しげな顔つきでそっと僕の手のひらに手を重ねる。
「さようなら。」
ふっとロウソクの日が消されるように、僕の意識は……
「また、いつか。災いが降る日まで……」
「あなたは……………?」
遠のく意識の中、彼の言葉が聞こえた気がした。
「そうだな、君がレイなら僕は………………
真っ白に包まれて眠りについた。