第十八話 場所を弁えずいきなりキスする男は絶対に振られるし、なんなら直ぐにターゲットを変える。これを機種変更という。だから何って話が今回
わたくしはクロムを絶対に許しません。
なので、地下労働施設に派遣しました。
揺すり材料を初めとする情報収集を任務として与え、過労死するまで働いてもらいます。
不慮の事故でもいいですね。
地下ですし証拠も残らない。
「キスしただけでキレ過ぎじゃね?」
クロムはまるで反省する様子を見せません。
それどころか、呑気に煽ってきます。
「わたくしのファーストキスが貴様とか死んでも御免なので、一度輪廻転生して穢れた接吻情報記録媒体、通称DNAを焼却して人生をやり直したいですわ」
「そんなこと言って、どうせムラムラびちゃびちゃだったくせに」
「脳内お天気は快晴でしょうか?それとも脳みそは前世に置いてきました?」
「置いてきました。リネア様とお揃いですね」
「はあ…貴様の減らず口に付き合っている暇はねぇんですの。さっさと任務を終わらせるか、そこの歯車に首突っ込んで自害するか選んでくださいな」
「これを回してなんの意味があるんです?」
「さあ」
そんなこと聞かれても困ります。
「とりあえず、そこの取っ手を回せばいいのでは?」
「これっすか。よし」
クロムが取っ手を握り、勢いよくへし折りました。
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿」
「僕、もうダメかもしれない」
無能もいいところですわ。
煙草をふかしていた作業員の方々も大笑いしております。
可愛い可愛いと頭を撫でる女性作業員の姿も。
女性作業員はクロムを奥の部屋に引っ張っていきましたね。
なにやら変な声が聞こえました。
「…どわっ!」
お、戻ってきた。
上半身を隠しながら半裸で。
「何をしていたのです?」
「お仕置だそうです。洗濯バサミを使った」
「ほほー。どれ、よく見せなさいな」
「いやぁ…恥ずかしい」
クロムが縮こまるように胸を隠します。
乙女か。
「人生は山あり谷ありです。精査すべきは谷回り。深く堕ちれば堕ちるほどエロく、這いずり回れば尚甘美。さあ、貴方の漢っぱいを精査して差し上げますわ」
「じゃあ一緒に乳くりあいましょうよ。リネア様の乙パイ触ってみたい。あ、触ったことはあるわ。吸ってみたい。歳的にもう出んすか?だいたいは出産前に――」
「生理的に無理」
背筋がゾワッとしました。
というわけでクロムの手を縄で縛り放置。
「アディオス、クロム」
「…は?」
「行け!雌豚共!」
わたくしの声に呼応した女性作業員、総勢20名がクロムに襲い掛かります。
性獣暴走の大号令。
いい見せ物になりましたね。
一匹ヤバい雌豚がいます。
「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!」
「ぎゃぁあああ━━━━━━━━━あっ…!」
手つき、えっぐ。
これならばクロムも満足でしょう。
きっと明日はグロッキー。
最後の願いは何かしら。
高嶺の花を落とすことかしらね。
「縦読み推奨」
クロムが先に転覆しましたね。




