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君と地平線の先へ  作者: ZEAK
 第一章『血に染まった地下世界』
5/10

第5話『侵略者』

一方、時を少し遡ること10分前。街の中心部。


「地下警備隊隊長が到着しました!

ジン参謀長は不在のようです」

「第二警備隊は市民の安全を確保。第一警備隊と、第三警備隊、特殊化学部隊は戦闘配置につけ。

いいな!敵は5体。少人数だからと言ってあなどるな!奴は、1体だけで警備員の百人分に匹敵するほどの力を持っている!」

「御意!!」

「隊長!上空にマシンノイド一体を確認しました。

どうやら、別々に行動を行なっている模様です!」

「よし!各班!スラスターの照準を合わせよ!

目標、右斜め前方!!これより掃射作戦を開始する!テッー!!」


閃光が飛び交う。瞬く間にして、視界はスラスターの光の中に妨げられた。



「撃ち方やめ!!」




隊長の勢いよい合図と共に、警備員はスラスターを下ろす。あたりは、火薬の煙でよく見えない。


「周囲の警戒を怠たわるな。奴を完全に淘汰したのか確認する。

各班はこのまま待機せよ。スラスターの照準を合わせておけ」


人工の風が、辺り一面の煙をゆっくり吹かせている。

そして次第に、視界は良好に澄み渡った。


「奴の、残骸を確認する。第一部隊は速やかに作業を開始せよ。第三部隊、特殊化学部隊は残り4体を追.....」



「隊長!!上っ!!」


「なっ......に?」


目にもよらぬ速さで部隊長の頭頂部を勢いよく、銀色の刃が貫いた。

紅く、血飛沫が空を舞う。


「総員っ!!スラスター用意!!目標はすぐそこだ!!テッー!!」



しかしマシンノイドは瞬く間に隊員の身体を貫いていく。幾つもの手や足が乱れ吹き飛んでいく。その様は、まるでこの世の光景とは到底思えない。


「退散だ!!一時退散せよ!!陣形が崩される!このままだと殺されるぞ!」 

「いや、ダメだ!!ここを崩されたら再び立て直すのに時間を要するぞ!!

それに、俺たちがここを退いた所で市民はどうなる!

その間に、より多くの人間の命が奪われてしまうぞ!!」


 逃げ帰るもの、勇敢に立ち上がるものがいるが

しかしそれは一瞬の出来事であった。先程まで漂っていた生者の跡影や息吹は何処にもなく、そこには静ま

りかえった死体の山が存在していた。


「.......ザッ....ザザ.....応答願う....こちら...第....」

発信器から、雑音を交えた人の声が途絶えた。

どうやらマシンノイド交戦中の警備員の声である。


「クッソ!!第一、第三部隊の連絡が途絶えた!!

隊長がやられただと?!参謀長は何をしているんだ。地上警備隊の到着の方はまだか!!

奴らはマシンノイド淘汰のために派遣された部隊の筈だ!一体どこで何をしてやがる!!」

「班長!!西側の街の方が炎の渦に飲み込まれていきます!未だ、市民の安全は確保できてない状況のようです!急ぎましょう!!」

 

マシンノイドの攻撃が市民を襲う。人々の叫び声はより一層激しく聞こえてくる。

状況が全くわからない。誰が生きていて誰が死んだのだろう。人々の不安は極限状態を迎えている。


「.....だめだ。このままだと俺たちは間違いなく全滅だ。震えが止まらない........。

300年という長い間、人々は地下という不自由な環境の中で日々を送っていた。それぞれが明日の光を信じて........だけどよぉ?こんな最後はあんまりじゃないのか?これが俺たちの最後というのならば俺たちは、あんまりにも残酷じゃないのか?....」



「いや............班長。それはまだわかりませんよ。

かつて地上に寄りもしなかった人々の中で唯一

運命に抗うものがいた。

彼らは、決して諦めたりはしません。あれを見て下さい」



女性隊員が真っ暗な天井に向かって指を指す。

その先には確かにいた。幾つもの影が。

背中に機械の塊のような馬鹿げたものを装着した連中が、颯爽と空中を飛びかっているではないか。




「奴らか。そうか......俺らには未だ奴らがいたのか。この先の見えない暗く、そして小さな世界を照らす

たった一つの光が。それも太陽に負けないような光が....!!」


 第6話へ続く










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