二人の少年
「ベリル!今回のはお宝っぽいぞ!」
「ぽいって・・そろそろ書物の名前ぐらいしっかり覚えてくれよな」
「覚えようと思っても覚えらんねぇんだよぉーだ!覚えたり考えたりすんのはベリルの担当だからな!」
悪びれる様子もないザックの笑顔を見て
何事もなく帰って来たことを安堵する
「危ないことはなかった?」
「なかったなかった!やっぱり俺は天才なんだって!」
「ならよかったよ」
ベリルのホッとした顔を見てザックもとても嬉しそうにしている
「ほいっこれ」
外から持って来た大きな荷物をベリルの前の机の上に置いた
「ありがとう」
そう言いながら慣れた手つきで開けていく
中から出て来たのはたくさんの本
ベリルは新しい本と古めの本に分け
めぼしい本を一つとってサラサラと流し読みしていった
「どう?」
ワクワクといった表情でザックがこちらを覗き込んでいる
「うん、分からなかったことがまた一つわかりそうだよ
ありがとう、ザック」
「ウォー!!やったー!前は違かったからなー!」
両腕を上げて喜ぶザックにベリルは以前のことを思い出して笑う
「前はひどかったもんね、知らないの人の日記持って来ちゃうんだもん」
「しょうがねぇーじゃん、あんな分厚かったら勘違いしてもさー」
二人の笑い声が基地に響いた