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忠犬ネルビーの大冒険  作者: 蒼穹月
そして日常へ
15/19

おさんぽ

 新しい巣にお引越ししてからだいぶ経った。

 今日も毎日の日課のおさんぽに出てる。今日はリリ忙しくて一匹でおさんぽだ。


 「わふっ、わふっ」


 新しい場所はいっぱい匂い嗅いで確かめなきゃなっ。

 ふみふみ土を踏みしめる。人間がいっぱい歩くから固い。でも石じゃないから爪がカシカシしなくて歩きやすい♪

 踏んで確かめたところをふんふん嗅いで、誰かの縄張りじゃない事を確認する。

 

 『うん。ダイジョウブだ』

 「何が大丈夫なんだい?」


 むふ~っと口を緩めてたら小さい羽音がした。

 声の方を見ると、橙色の妖精がいた。何処かで見た事ある気がする……。


 「おいおい。サラマンダーの所でも会ってるし、村でも何度かオイラと擦れ違っただろ」

 

 首を傾げてウンウン思い出そうと藻掻いていたら、妖精に呆れられた。

 そんな事言われたって、おれリリ以外あんまりよく見て無かったから。あ!でも三己とあと何かリリ位の雄の子と牛がいた気がする!

 改めてリリと再会した日の事を思い出した。リリは三己と雄の子と牛と遊んでたんだ。そこにじゃじゃーん!っておれさんじょうしたんだよ。でも妖精は小さすぎてちゃんと見えて無かったんだな。


 『ごめんな。もう覚えたぞ。

 おれはネルビーだ。リリの弟でお兄ちゃんで家族だ』

 「まあオイラ視界に入り難いしね。いいんだけどさ。

 オイラは物作り妖精。橙ってんだ、宜しくな」

 『だいだい!おれの言葉わかるのか!』

 「オイラ達妖精や精霊、幻獣に神獣、神々なんかは言葉に不自由しないのさ」


 そうなのか~。そういえばサラマンダーも言葉通じてたな。動物同士は思いが通じるから不思議に思わなかったけど。


 「それで?何が大丈夫なのさ」

 『縄張り。他の誰かの縄張りだったら避けるか挨拶するか上書きしなきゃだからな』

 「ああ、マーキングか」


 橙は納得しておれのお尻を凝視した。

 そんなに見られると緊張しちゃうぞ。なんだ?期待してるのか?マーキングして欲しいのか?

 よくわからないけど、やるまで凝視されそうだったから、


 「わふっ!」


 走って逃げる事にした。

 負け犬じゃないぞ!?せんりゃくてきてったいだ!

 猛スピードで逃げ出して、気配が無くなった所でやっと落ち着く。

 

 「わふっ、わふっ」


 改めて土をふみふみ。匂いをくんくん。

 よし。ここも大丈夫だ。

 おれは辺りを確認して、ちょうど良さそうな太い木に目星をつけた。そこの根元におれの証を残す。終わったらくんくん嗅いで、おれの匂いになった事に満足した。

 今日はあと一か所おれの縄張り作ったら帰ろう。


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