ネコが喋った
猫
「にゃー」
僕
「あ、猫だ、可愛い」
猫
「そうっすか?」
僕
「うわ、喋った。びっくり」
猫
「いや、猫も喋りますよ。21世紀ですから」
僕
「そ、そうなの?すごいんだなぁ、21世紀って」
猫
「いや、21世紀を褒めないでください。猫が凄いんです、というか私が凄いんです」
僕
「そうなんだ。偉いんだねぇ、猫さん」
猫
「ええ、ええ。偉いんですよ、私は」
僕
「……」
猫
「……」
僕
「ええっと、じゃあね猫さん。僕はもう行くよ」
猫
「えっ!もう行かれるんです?なんか私に用事とかなかったんですか?」
僕
「特にはないかな」
猫
「なんでですか?猫が喋るの初めて見たんですよね?そしたら、もっと興味沸きません?」
僕
「沸かないかな、僕あんまり猫好きじゃないし」
猫
「……は?」
僕
「猫の毛でクシャミとか出るし、なんか病気とか持ってそう」
猫
「めっちゃ失礼!」
僕
「ごめん、でも僕正直に生きようって決めてるから……」
猫
「急な思想!」
僕
「じゃあ、そういうことで……」
少年は去っていった。
猫は、次生まれ変わったら犬になりたいと思った。
ネコが喋った -終-