表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢が終わらない  作者: K
7/15

7

時間の感覚がわからない。

自分が、どれだけ思考に時間を使っていたのかわからない。

けれども、自分の人生が終わったことだけは、確信していた。

死んだという事実を、認めるというより、わかっていたという方が正しいかもしれない。

言葉では、説明できないが、美樹の人生が終わったということは、美樹の頭の中で、はっきりしていた。


じゃあ?

疑問は、余裕と同時に生まれてくる。


「ここは、どこなの?」


素朴な疑問だった。

神に対する怒りと不信感が消えたわけではないが、美樹が死んだという事実の認識が、美樹の思考を少しだけ冷静に戻してくれた。


「ここは?」


 神は、美樹の混乱した時間の間、ずっとその場にいたのだろうか?

すぐに返事が返ってきた。


「生と生の間になる。」

「生と生の、はざま?」

「今は、プログラムのセッティング中だ。」


 プログラム?

 生と生?


「私は、生まれ変わるの?」

「そうだ。」


 神の言葉から導き出した推理を、神はあっさり肯定した。


 生まれ変わりを信じていないわけではなかった。

 けれども、こんな形で、生まれ変わるとは思わなかった。


「次の生って、決まっているの?どんな人生かって、決まっているの?」

「どんな人生?」

「今、プログラムのセッティングしてるって言ったじゃない。神様が、人生をプログラムしているの?お願い、教えて。次の人生って、どんな人生なの?」

 大事なことだと思った。

 美樹は必死だった。

「教えて。私は、次は、どんな人生を生きるの?男?女?どんな家族が待ってるの?私は、どうなるの?今度こそ、幸せになれるの?結婚できる?」


「結婚?」

 すると、何故か、神は、低い声で笑い出したのだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ