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夢が終わらない  作者: K
4/15

4

 一瞬、思考が固まった。

 あいつの声?

 すぐに否定する。

 違う。

 あいつじゃない。


「誰?」


 誰かがいる。


 それは、味方?敵?

 今の美樹にとって、あいつは敵、あいつに加担するものがいたとすればそれも敵。

 味方とは、今の美樹を助けてくれるものだ。

そうあってほしい。


 心の警戒レベルがあがる。

 しかし、この闇の世界では、どうしようもない。

 いくら、警戒しようが、自らが、今、どんな状態なのかもわからないのだ。

 手が動いているのか、足が動いているのか、はたまた、瞼が閉じているのか、開いているのかすらもわからない。


「誰なの?」

 もう一度、尋ねてみる。

 これは、地獄の延長か、それとも、地獄から抜け出す光明なのか?


 再びの沈黙のあと

「声が…、届いたな。」

 確かな男の声がした。あいつじゃない。


「誰?私は助かったの?」

 病院?

 脳内が慌ただしく活動しはじめるが、それにしては、何か違和感がある。

「ここはどこ?教えて。誰なの?」

「俺か…。」


 男の声は、聴いたことがあるような、ないような…。

 少なくとも、あいつではないことは確かだ。

 一体?

 ここは?

 そして、この声は?


 この闇も違和感だらけの世界だ。そもそも感覚がない。視覚にとどまらず、手や足の触覚、嗅覚も、今の美樹に何も感じられない。

 そして、今、唯一、聴覚だけが、男の声を捕らえてる。

 何が起こってるの?

 美樹にとって、異常事態だということだけはわかる。

 何かがおかしい。異常な世界の中に美樹はいるのだ。

 そして、その中で、美樹にこの世界の手がかりを与えてくれると思われる唯一の声は、美樹にこんなことを告げてきた。


「俺は…神だ。」


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