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どれだけの時間がたったんだろう。
何度も意識がとんだ。
それは、長い時間にも思えるし、ほんの一瞬だったのかもしれない。
目を開けるとあいつの顔がある。
これは、夢じゃないと思い知らされる。
何度も傷つけられた。
身体が、切り刻まれている。
出血の量が多すぎる。
なんで、私をこんなに傷つけるの?
私の苦しむ顔が見たいのね。
私のことを好きだったんじゃないの?
どうして、私をこんな目にあわせるの?
ずっと、何か喚いている。
私が、聞こうが聞くまいが関係ないように。
ずっと、ずっと、喚き続けている。
私が、あなたを傷つけた?
そうなの?
段々わからなくなってきた。
多分、私は死ぬのだろう。
まだ、何もしていないのに。
仕事、面白くなってきたばかりなのに。
結婚もしてみたかったな。
子供産んで、新しい家族で、楽しいこといっぱいしてみたかった。
私が何したっていうの?
こんな理不尽な死に方ってある?
どうして、こんな目にあわなきゃならないの?
ひどすぎる。
私は、何も悪いことしていないのに。
あいつは、色々喚いていたが、もう、何も耳に入らない。
意識は朦朧とし、そして、視界は、真っ黒になった。