シャボン玉
君のことをシャボン玉のような人だと例えよう。
シャボン玉のようにふわふわ、やわらかな顔で笑うでしょ。
弾けるでしょ。
またある時は、シャボン玉のように優雅に、ふわふわと。
屈託のない笑顔をみせるでしょ。
弾けるでしょ。
君といると、どうにも落ち着かないでしょ。
どうにも、見ないフリは出来ないでしょ。
それはつまり、君に恋してるってことでしょ?
また弾けるでしょ。
秋色より紅よりに、燃える夕日を映すでしょ。
あぜ道を駆ける子どもたちと、赤とんぼが見えるでしょ。
弾けるでしょ。
梅雨色の、濁る空を揺らめく雲に映すでしょ。
水たまりの出来た反対側の世界に映る虹の音を聴こえるでしょ。
弾けるでしょ。
桜色滲む、涙の数超えた先に、また新たな風を映すでしょ。
新校舎の匂いも、旧校舎の臭いも、どちらとも好き好むでしょ?
弾けるでしょ。
真白な白銀の、琥珀色した、世界の中心に、透明で、亜麻色の、なんとも言えない、やっぱり灰色の火鉢を映すでしょ。
ぱちぱち、と、燃えては灰になっていくでしょ。
弾けるでしょ。
遡る時の中で、君に出逢った日のことを、ふと思い出すでしょ。
いつか見た星空が澄み切った世界の、花冷えの感触も、君の声も、凍え切った匂いも。
戻ることの無い世界を映しては、弾けるでしょ。
弾けては、もう戻らないでしょ。
弾けようがないでしょ?
それがどうにも、しょうがないとわかっていても。