デーヴァ(神)
何時もの如く見切り発車です。
『目覚めよ』
何も無い白い空間。
突如響いたその声に、彼等の意識が覚醒した。
「な、何だ、此処は?」
騒然とする彼等に、再び何者かの声が掛けられた。
『これから、其方等は異世界に転生する』
転生すると言う事は自分達は死んでいるのかと、先程より騒がしくなった。
「何故ですか?! 貴方は誰?!」
『我は、人からデーヴァと呼ばれる者』
「デーヴァ?」
「神様だろ」
「神様?!」
「あの! 私達は、どうして死んだんですか?!」
転生と言われ、ずっと気になっていた少女が叫ぶ。
しかし、それに対する答えは無かった。
『其方等は、【アディア】と呼ばれる地に、ダンジョンマスターとして転生する事になった』
「ダンジョンマスター?!」
「ネット小説みたい!」
「え? 何? お詫びか何か?」
戸惑う者・喜ぶ者、様々だ。
転生理由について、説明は無い。
『尚、種族・場所等は、此方で勝手に決める。場所によって、イージー・ノーマル・ハードが決まる』
「ダンジョンマスターって何?!」
「説明とか無いんですか?」
ネット小説を読まない者達が疑問を口にする。
『転生した後、【メニュー・オープン】と口にする事で、空中にメニューが表示される。その中に【ヘルプ】があるので、各自目を通すように』
「ダンジョンマスターとして、何をするべきなんですか?」
何か目的があるのだろうと、少年が確認する。
『好きにするが良い。其方等の生だ』
「人類の友人になるも良し・敵になるも良しって事ですか」
「俺達同士でも敵対する事もあると」
その言葉で警戒心が湧いたのか、空気が張り詰めた。
『それでは、転生を開始する』
こうして、異世界【アディア】に、80名の新たなダンジョンマスターが誕生した。