歴史
君の居ない夜は
ただただ寂しい OH YEAR……
こんなにも好きなのに、会えないなんて
神様は残酷だネ
という自作の歌が入ったテープを
僕は未だに捨てられない
君との思い出まで捨ててしまうような気がして……
君からの手紙、押入れから引っ張り出して
青いインクの丸文字さえも君の笑顔にみえて
「愛してる」ってたった五文字のメールでさえ、ためらったりして
ボクの気持ちをきちんと伝えられれば、
君は今もボクの隣に居てくれたのかな?
という自作の歌が入ったデータを
僕は未だに消去することが出来ない
オマエとの思い出まで消えてしまうような気がする、なんて女々しいかな?
オマエをずっとずっと愛すると誓ったあの日
答えを聞けないまま黙って眺めたあの火
ふたりキャンプファイヤーをかこみ
歌いギターかきならし手をつかみ
満点の星空の下で交わした約束
俺はずっとずっと心に刻むぜ
という歌を歌ったギターを
僕は未だに売り払うことが出来ない
ねえ、見ているんだろう
ライン、既読になってるよ
見えない電波で繋がっているボクら
スマホをしまえばオフライン?
「手書きのぬくもり」なんて言うけど、
返信の時間が短かさだけで、
ボクの心はじんわり温もるのさ
という歌を詠った僕は
未だ消えることも無く
いつかきっとこの歌も
思い出してしまう日が
くるんだろうな。
学芸員より:
ほら、押入れや物置を探して御覧。
見たくて見たくて見たくない物が、きっと見つかるはず。
次回の更新は2015年10月6日を予定。