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コトノハ美術館  作者: 百里芳
【常設展示:「産毛のこちら側のフロア」】
10/25

詩綴り人

お菓子のお家に閉じ込められた

わたしよ、わたし

わたしはどこなの?


まっくら森に落としたつもりの

まっしろ小石は照らす光もないのに

わたしの頭の中ではぴかぴかと

飴玉のように光って


長靴履いて探しに行こう

淀んだ脳髄かきわけて

見つかりっこないさとあきらめて

キャンディーの牢屋で膵臓いじめるよりはましさ


まっくら森のまっくらを

ひっしにひっしにかきわけて

見つけたものは砂糖菓子

手のひらに乗せたら溶けちゃった


ほうほうふくろうの目覚ましで

べたべた手のひらそのままに

とぼとぼ帰ろうとした足元に

てらてら光る小石が、ひとつ


ごくんとのみこんで、

詩集は小石の博覧会

詩集は形に綴られた、わたし




学芸員より:

この前、息子に「ちゃんと勉強しなさい!」と叱ったら、

「こんな事、覚える必要ないじゃん。ネットで調べられるんだし」と返ってきました。


その時は唖然としたものですが、考えてみればそうですよねえ。

私だって、自分の両親が頭に入れていた冠婚葬祭のマナーなんか、きちんと覚えていないもんだから、そのつど冠婚葬祭マナー辞典をひきながら準備をするものです。

何を頭に記憶させる、何を身体にしみこませる。世代や環境によって変わるのは当たり前ですよね。


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